[ブリュッセル 12日 ロイター] – 欧州連合(EU)加盟のハンガリーを除く26カ国の首脳は12日、ウクライナ国民は自分たちの将来を決める自由を持つべきであり、外交的解決策はウクライナと欧州の利益を守るものでなければならないと表明した。
欧州26カ国首脳は声明で「有意義な交渉は、停戦または敵対行為の縮小の中でしか行えない」と指摘し、「外交的解決策はウクライナと欧州の重要な安全保障上の利益を守るものでなければならないという信念を共有する」と述べた。
ロシアのプーチン大統領とトランプ米大統領は15日に米アラスカで会談する。ウクライナと欧州は、和平仲介の実績作りを急ぐトランプ氏が、プーチン氏の11年にわたるウクライナ領土奪取の取り組みに報いる形でディール(取引)するのではないかと懸念する。現にトランプ氏は11日、ウクライナとロシアは紛争終結のために、互いに「領土交換」を行う必要があるという見解を示している。
声明は「ウクライナが効果的に自国を防衛できることは、将来の安全保障に不可欠な要素である」とし、EU諸国は安全保障の保証にさらに貢献する用意があると述べた。
この声明を、プーチン氏に近いハンガリーのオルバン首相は承認しなかった。オルバン氏はXで「EUが外野扱いされているという事実は、それだけで十分に悲しい」とした上で、「EU首脳にとって唯一賢明な行動は、米ロに倣いEU・ロシア首脳会談を行うことだ」と述べた。