大阪万博直結の中央線が一時運転見合わせ、来場者の帰宅に大きな影響

大阪メトロ中央線において、大阪・関西万博の会場に直結する路線で電気系統のトラブルが発生し、一時全線での運転見合わせとなりました。この事態は、万博会場からの帰宅を試みる多くの来場者の足に深刻な影響を与え、混乱を招きました。

発生したトラブルの概要と運転再開状況

大阪メトロによると、8月13日午後9時半頃、コスモスクエア駅で車両に電気を供給するレールにトラブルが発生したとみられ、これを受けて中央線は運転を一時見合わせました。午後10時10分頃には、万博東ゲートに直結する夢洲駅と隣のコスモスクエア駅の間で折り返し運転が再開されましたが、全線での運転再開には時間を要し、帰宅途中の来場者に大きな支障が生じました。

大阪万博東ゲート付近で運転再開を疲れた様子で待つ来場者たち、中央線の遅延により交通が混乱大阪万博東ゲート付近で運転再開を疲れた様子で待つ来場者たち、中央線の遅延により交通が混乱

夢洲駅周辺の混乱と来場者の声

トラブル発生後、夢洲駅に直結する東ゲート前の広場には、帰宅できなくなった大勢の人々が滞留しました。中には、長時間の待ち時間に疲労困憊し座り込む人の姿や、体調を崩して担架で運ばれるケースも見られました。現場では、来場者に対して万博会場内に戻るようアナウンスが流れ、警備員が誘導にあたっていました。

コモンズ館で勤務する京都府長岡京市の40代女性は、会場内で足止めを余儀なくされ、「お盆時期で来場者が多かったので、心配です」と現状を憂慮する声を上げました。また、夫と共に運転再開を待っていた大阪市港区の73歳主婦は、「入場にも1時間かかったのに、いつになったら帰れるのか」と疲れた様子で語り、不満と不安をあらわにしました。

大阪万博会場の大屋根リングの下で座り込み、帰宅を待つ来場者たち。中央線の運転見合わせによる影響大阪万博会場の大屋根リングの下で座り込み、帰宅を待つ来場者たち。中央線の運転見合わせによる影響

万博輸送の大動脈としての影響

中央線は、大阪・関西万博の会場と直接結ばれる唯一の鉄道路線であり、来場者輸送の約7割を担う「大動脈」と位置づけられています。今回の電気系統トラブルによる運転見合わせは、万博開催時の円滑な交通インフラの重要性を改めて浮き彫りにしました。今後、万博の本格開催に向けて、安定した鉄道運行と緊急時の迅速な対応体制がより一層求められます。

参考資料