国民民主・参政党、新人議員の不祥事防止へ研修強化とガバナンス構築

参院選で議席を大幅に伸ばした国民民主党と参政党は、新人議員による不祥事が政党支持率に直結しかねないとの危機感を強めている。両党は本格的な国会論戦が始まる前に、議員教育を強化し、内部統制の確立に注力する方針だ。

国民民主党、新人議員の不祥事に危機感

国民民主党は、先の参院選で初当選した13名の新人議員に対し、国会内で研修を実施した。議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の活用法や使途公開の運用ルールについて、参院事務局から詳細な説明を受けた。同党は昨秋の衆院選で議席を急増させたが、過去には偽名不倫発覚による男性議員の党員資格停止(その後離党)など、新人議員のトラブルが目立つ。衆参合わせて49人の所属議員のうち半数以上を新人が占める現状に、党幹部は「国会の仕組みや政策研究など『イロハ』から徹底的に学んでもらう」と強調する。

過去には、2023年統一地方選で躍進した日本維新の会が、新人議員の不祥事が相次ぎ、一時野党トップであった政党支持率を低下させた経緯がある。この教訓を踏まえ、国民民主党はガバナンスコード(統治指針)の策定に着手。さらに、参院選での候補者選定で批判を浴びた経験から、選考過程の見直しも進める方針だ。

国民民主党と参政党が過去に批判を浴びた主要な不祥事例をまとめた図。政党支持率に影響を与えた問題が示されている。国民民主党と参政党が過去に批判を浴びた主要な不祥事例をまとめた図。政党支持率に影響を与えた問題が示されている。

参政党の対応と「責任政党」への志向

参院選で伸長した参政党もまた、4日に新人参院議員や地方議員を含む約160名を対象とした研修を行った。この研修では、元官僚の政策コンサルタントが省庁職員との効果的な接し方を指導し、党のネットチームはSNS運用の適切な対応方法を手ほどきした。

参政党は参院選期間中、神谷宗幣代表自身の失言や一部候補者の過激な主張が度々物議を醸し、批判の対象となることがあった。こうした経験から、神谷代表は選挙後、「もはや勢いだけで戦える段階ではない。責任ある政党として、より強力なチーム体制を構築していく」と述べ、党の組織強化と質の向上への意欲を強調している。

参政党の神谷宗幣代表が国会で発言する様子。新人議員研修と党のガバナンス強化の動きを象徴する一枚。参政党の神谷宗幣代表が国会で発言する様子。新人議員研修と党のガバナンス強化の動きを象徴する一枚。

国民民主党と参政党は、選挙での躍進を機に、新人議員教育と内部ガバナンスの強化を通じて、持続可能な政党としての基盤固めを図る。これは国民からの信頼獲得に不可欠な取り組みであり、今後の両党の動向が注目される。

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