日本の家庭においてミニバンは不可欠ですが、車の購入は機能性だけでなく、将来的な「リセール価値」を考慮する時代です。中古市場や海外需要が車の資産価値を大きく左右する今、「損しない車の買い方」は家計の重要な経済戦略。本記事では、多数の車を所有する専門家の知見に基づき、ファミリーカーの定番ミニバンの中から、特にリセール価値が高い車種に焦点を当てて解説します。
ファミリーカーの定番「ミニバン」の変遷と現在の位置づけ
平成の時代から今も人気が衰えないファミリーカーの大定番のカテゴリーがミニバンです。そもそも、ボディサイズはデカいのに、なぜ「ミニバン」と呼ばれているのか。それは、バンとしてアメリカでキャンピングトレーラーを牽引するクルマの「キャラバン」が全長5mを超える巨体で、それよりもひと回り小さい「シボレーアストロ」が1980年代にブームとなり「ミニバン」と呼ばれるようになったとか。それと同じカタチをしたセミキャブワゴンのクルマをミニバンと呼称するようになったようです。日本においては、1990年代から乗用車タイプの3列シートミニバンの先駆けとなったオデッセイ、乗用車タイプでさらにコンパクトな3列シートミニバンのストリーム、箱型で広い室内が好評なステップワゴンなど、ホンダがこのカテゴリーを切り開いてきた感がありますが、今では乗用車タイプはほぼ姿を消し、箱型のミニバンが主流になってきています。このミニバンのカテゴリーでもボディサイズによって大中小と分類できます。
人気のファミリーカーであるミニバンが走行するイメージ写真
ラージサイズミニバンにおけるリセール価値の最前線
ラージサイズミニバンとして最大級だったトヨタのグランエース(全長5,300mm ×全幅1,970mm×全高1,990mm、4列シート唯一)は、2024年4月に終売。法人向け利用が主で、個人には不向きでした。
現在、「ライバル不在」のトヨタ アルファード、ヴェルファイアが市場を牽引。全長4,995mm、全幅1,850mm、全高1,935〜1,945mmと大型ながら、立体駐車場対応サイズに収まる利便性が評価されています。アルファードは2.5L NAと2.5Lハイブリッド、ヴェルファイアは2.4Lターボと2.5Lハイブリッドを用意。2023年フルモデルチェンジ以降、需要高で受注が困難な状況ですが、中古市場や海外での需要が非常に高く、リセールは「最強クラス」。一時期は新車価格以上で取引されるプレミアム化も。2025年夏時点でも高値取引されており、リセール重視の方に最適な一台です。
『損しない「クルマの買い方」大全』からの抜粋図表:国産メーカーの主要ミニバンモデルとその特徴
まとめ:ミニバン選びは「リセール価値」が鍵
車の購入は大きな決断であり、特にファミリーカーでは「リセール価値」の考慮が家計管理に不可欠です。トヨタのアルファードやヴェルファイアのように、国内外で高い需要を維持する車種を選ぶことは、結果的に車の維持費を抑え、次の買い替え資金を確保する上で大きなメリットとなります。ミニバン選びの際は、単なる機能やデザインだけでなく、この「隠れた資産価値」にも注目し、長期的な視点で賢い選択をしましょう。
参考文献
- KADOKAWA 著書『損しない「クルマの買い方」大全』
- トヨタ自動車株式会社 公式ウェブサイト (アルファード、ヴェルファイア新車価格情報)
- アルファード:510~1,065万円
- ヴェルファイア:670~1,085万円