足立区スプレー通り魔事件:根岸秀男容疑者の意外な過去と供述の衝撃

東京足立区の商業施設で発生したスプレー噴射事件で、女性を執拗に追い回し、顔付近にスプレーを噴射したとして、暴行と器物損壊の疑いで埼玉県草加市在住の根岸秀男容疑者(61)が逮捕されました。この事件は、根岸容疑者の衝撃的な供述内容が明らかになるにつれ、世間の注目を集めています。「スプレーで目つぶしをしてナイフで刺そうと思っていた。通り魔的なことをやって、長期で刑務所に入りたかった」——この戦慄すべき供述は、容疑者の内面を深く探る必要性を示唆しています。本記事では、ABEMA的ニュースショーによる取材に基づき、根岸容疑者の意外な過去と知られざる人物像に迫ります。

逮捕された根岸秀男容疑者の衝撃的な供述内容

今回の事件で逮捕された根岸秀男容疑者は、取り調べに対し「通り魔的なことをやって、長期で刑務所に入りたかった」と供述。犯行の目的が単なる暴行に留まらず、自身の強い願望に基づいていたことが明らかになりました。足立区の商業施設で、逃げる女性を執拗に追いかけ回し、顔付近にスプレーを噴射した行為は、その計画性や悪質性を物語っています。

足立区の商業施設で女性を執拗に追い回す根岸秀男容疑者の防犯カメラ映像足立区の商業施設で女性を執拗に追い回す根岸秀男容疑者の防犯カメラ映像

「穏やかで腕の良いカメラマン」:ヴィジュアル系バンド界での顔

根岸容疑者の過去を探る中で、彼がかつてヴィジュアル系バンドのライブなどを撮影するカメラマンとして、インディーズ界隈で有名だったという事実が浮上しました。約20年の付き合いがあるヴィジュアル系シンガー・ソングライターのクロ氏は、「僕がバンドをやっていたとき、彼はカメラマンとしていろいろなバンドマンを撮っていたので、ライブハウスで何度も会っていた」と証言。また、「たくさんの方の撮影をしていた。腕前はしっかりしていることは間違いない。『これ根岸さんが撮ったんだな』ってひと目でわかるレベル」と、その専門性と実績を高く評価しています。

クロ氏によると、バンド界は「体育会系」な雰囲気がある一方で、根岸容疑者はその中でも「すごい穏やかな方」という印象だったといいます。親交のある他のバンドメンバーも、「ちょっと変わった人。でも決して、悪い人ではない」「誰かの誕生日があったら必ず来ていたし、撮影終わったから、無事終わったから乾杯しようと言って、ビールをおごってくれたりとかするぐらい」と語り、根岸容疑者の意外なほど社交的で優しい一面を明かしました。

バンドマンKENZI氏が語る根岸容疑者との深いつながり

根岸容疑者と最も親交が深かったとされるのが、ドラマーのKENZI氏です。KENZI氏は1991年に解散した伝説的ヴィジュアル系バンド「かまいたち」のドラマーであり、女装ヴィジュアル系バンドの草分け的存在として、80年代のインディーズバンドブームを牽引しました。ドラム界では「東のYOSHIKI(X JAPAN)、西のKENZI」と称されるほどのカリスマ性を持つ人物です。

根岸容疑者は2002年から2007年にかけて、KENZI氏の専属カメラマンを務めていました。KENZI氏は当時の関係について「ずっとこうやって撮っていただいて。ヨーロッパツアーもアメリカツアーも連れて行って、3日にいっぺんぐらい一緒にいた。飲みにも行ったし、家が近かったので。全ライブ写真撮りに来てくれた」と振り返り、仕事だけでなく私生活でも密接な関係だったことを示します。さらに、KENZI氏が雑誌で対談を行った際も、「氣志團の翔とかLUNA SEAのSUGIZOとか、亡くなったけれどもX JAPANのTAIJIとかの対談も撮ってくれた」と、そのプロフェッショナルな仕事ぶりを証言しました。KENZI氏は容疑者逮捕のニュースを聞いた際、「リアルに出ていて、ビックリしました。ショックですよね」と、深い衝撃を語っています。

明かされた容疑者の「別の顔」:口論と借金、そして謎の失踪

長年の付き合いがあったKENZI氏だからこそ知る、根岸容疑者の「別の顔」も明らかになりました。KENZI氏は「キレるとなると、そういうことする人なのかな……という感じがある」と切り出し、店でバンドマンと口論になった際、「僕はそんなこと思ってない!」と激昂したエピソードを明かしています。普段は穏やかでありながらも、時に感情的な一面を見せることもあったようです。

今回の警察の調べでは、根岸容疑者がギャンブルや風俗通いで多額の借金を抱えていたことも判明しています。これに対しKENZI氏は、「女は好きだった。風俗は確かになったと思った。でも僕らといるときは借金もしていないし、ギャンブルもしていなかったし、仲間思いだったけどね」と、当時の彼が知る根岸容疑者との印象の違いを語りました。

さらに驚くべきは、根岸容疑者が2010年ごろに突然失踪し、一時大騒ぎになった過去があることです。KENZI氏によると、「ねぎっちゃん(根岸容疑者)のお母さんが『1週間連絡が取れない』って。そんな人じゃなかった。僕の連絡はすぐ返ってくる人だったので、1週間はおかしいなと思って」と、根岸容疑者の母親から頼まれ警察に捜索願を提出し、SNSを通じて捜索を呼びかけたこともあったといいます。しばらくして帰ってきたものの、失踪の理由は明らかにされませんでした。

その後も連絡が途絶えることがあったといい、「『心配してたんやで』って言うてたら、連絡取れないことがまたあった。僕の周りも『KENちゃん2回目も許したらあかんで』って言う感じで。それからは連絡を取っていないが、僕の知っているうちのスタッフが鶯谷駅で見たとか、『目の前で電車の前にいる』って言って、写真を見て『じゃあ生きてたんやな』というぐらいだけれども」と、その後の消息について断片的に語っています。

今回の事件は、逮捕された根岸秀男容疑者が持つ多面的な人物像を浮き彫りにしました。かつてはプロのカメラマンとして穏やかに活動し、周囲からは慕われていた人物が、なぜこのような衝撃的な事件を起こすに至ったのか。その背景には、ギャンブルや借金といった金銭問題、そして説明されない失踪歴など、多くの謎が残されています。今後の捜査の進展とともに、事件の全容と根岸容疑者の内面に何があったのかが解明されることが望まれます。


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