8月15日の開催予定を目前に控えた米ロ首脳会談。トランプ大統領は12日未明、ホワイトハウスでの会見で戦争終結への交渉を強調し、自信を見せました。
トランプ大統領とプーチン大統領
米ロ首脳会談に臨むトランプ大統領とプーチン大統領
トランプ氏の和平提案と三者会談の意向
トランプ氏は、「プーチンと会談を行い、その会談の終わりに、いやおそらく最初の2分で取引ができるかどうかを正確に知ることができる。それが私のやり方である。私は取引をするのです。プーチンに戦争を終わらせなければならないと伝える」と述べました。
さらにトランプ氏は、「次の会談はゼレンスキーとプーチン、あるいはゼレンスキーとプーチンと私になるだろう。必要なら私もそこにいるが、2人のリーダーと会談を設定したいと思う」と、戦い合う当事者同士の直接会談もセットすると豪語しました。
ゼレンスキー大統領の反論とロシアへの不信感
しかし、“領土の割譲”を停戦条件とするロシアに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は次のように述べています。
「ロシアは要求に応じずに、殺戮をやめようとはしない。模索しているのは、ウクライナを殺す方法だけだ。私たちはアメリカと協力している。真の和平を確保する方法について、毎日話し合っている。ロシアはアメリカを欺こうとしている。我々はそれを許さない」と主張しました。
EU首脳の警告:国際法と領土一体性の尊重
また、EU加盟国の首脳らは12日に発表した声明の冒頭で「ロシアによる侵略戦争を終結させ、ウクライナに公正で持続的な平和と安全を実現するための努力を歓迎する」とトランプ大統領の取り組みを称賛しました。しかし、「公正で持続的な平和は、独立、主権、領土の一体性といった原則を含む国際法を尊重しなければならず、国境は力によって変更されてはならない」と強調。これは、15日のアメリカとロシアの首脳会談を前に、「ウクライナとロシアの領土の交換」を示唆しているトランプ大統領を牽制する形です。
今後の展開:欧州オンライン会合と複雑な情勢
ヨーロッパ主要国の首脳らは、ゼレンスキー大統領やトランプ大統領らを招いたオンラインの会合を13日に開催し、ウクライナの安全保障や領土に関する権利などを議論する予定です。米ロ首脳会談を前に、各国の思惑が交錯する複雑な情勢が続いています。