アメリカの老舗フィルムメーカー「コダック」が、事業停止の危機に直面していると報じられました。日本でも根強い人気がある写真のフィルムにも影響があるかもしれません。
デジタルカメラ登場で皮肉にも業績が傾く
カチッカチッという音に、どこか懐かしさを感じる人もいるのではないでしょうか。そう、フィルムカメラです。
このカメラに欠かせないフィルムを巡って“ある報道”がありました。
創業133年のフィルムメーカー・コダックは決算報告で、およそ740億円に上る債務返済のための資金のめどが立たないと発表し、CNNは「事業停止の危機か」と報じました。
かつてカメラ用フィルムの世界シェア70%を占めたコダックでしたが、業績が傾いたのは皮肉にも、自らが開発したデジタルカメラが理由でした。
カメラ愛好家(2012年)
「寂しくなりますね。でも、何かが去る時、代わりのものがすでにやってきているんです」
フィルムが必要のないカメラが登場し、2012年に経営破綻。その後はフィルム生産を縮小しつつ、医療品など他の業態に軸足を移していました。
今回、仮にフィルムの生産・流通に支障が出た場合、日本でも影響が出そうです。
アナログ回帰でフィルムカメラがブーム
東京・新宿区にあるマップカメラ本館では、フィルム全体の売り上げの6割から7割近くを占めているのがコダック製品です。
マップカメラ事業部 川村洋太部長
「フィルムカメラを使う人にとって、非常に大きな打撃だと思う。何としても継続してほしい」
実は今アナログ回帰の流れで、フィルムを使ったカメラに再びスポットが当たり、静かなブームになっているといいます。
レモン社新宿店 運営統括責任者 南喜文さん
「コロナが明けてから、海外の方とか購入する人が増えて、ここ直近1年くらいは(売り上げは)伸びてきている」
中国からの観光客
「デジタルのようにすぐ写真を確認できない分、フィルムには神秘的な魅力があります。そこが面白いところです」
この店舗には、フィルムカメラを求めて海外旅行者や、これまで触れたことのなかった若い世代が多く訪れるといいます。
南さん
「現像時の出来上がった時の楽しみが、あるんじゃないかと思っている」
今回の危機について、コダックは「返済の期日前に債務の借り換えなどで対処できる」と自信をみせているということです。
(「グッド!モーニング」2025年8月15日放送分より)
テレビ朝日