昭和の家電はなぜ黄緑色だらけだったのか? シャープが明かす爆発的流行の理由と“昭和レトロ色”にまつわる意外な事実


【画像】今と全然違う!1970年代に発売されていた掃除機の独創的すぎるカラーバリエーション

冷蔵庫・掃除機・洗濯機・扇風機……黄緑色だらけだった昭和の家電

そんな昭和の家電を見ると、アナログな機能や独創的なフォルム以外にも“ある特徴”が目につく。それは、黄緑色がやけに多いという点だ。

実際に大手家電メーカー・シャープが1978年秋に出したカタログを見ると、2種類の掃除機にはそれぞれ黄緑とオレンジがラインナップされている。

同じカタログの洗濯機のページを見ると、ここでも2種類の洗濯機で黄緑色のラインナップがある。現在、多くの家電はシルバーや黒・白が定番だが、どうやら当時は黄緑色が定番だったようだ。

また、1966年に放送開始した初代『ウルトラマン』(TBS系)も、変身アイテムのベータカプセルは薄い黄緑色をしている。2022年に劇場公開された『シン・ウルトラマン』ではシルバーだったことを考えると、こちらも当時の流行を反映していると言えるだろう。

それにしても、現在では奇妙にも思える“黄緑色家電だらけ”という現象はいかにして起こったのか。

昭和家電をはじめとしたレトロなアイテムを収集し、『ALWAYS 三丁目の夕日』ほか多くの作品に貸し出しも行っている『昭和ハウス』運営の冨永潤氏は言う。

「はっきりした理由は分からないのですが、それまでの生活用品は花柄のプリントなど、オレンジ色のものがすごく流行っていたんです。こういったものはけっこう目が疲れるような色なので、落ち着く色として黄緑色のものが好まれたのではないかなと。緑というと、木や葉っぱなど自然の色に近いですよね。観葉植物を置くとお金がかかるけども、緑の冷蔵庫が置いてあるだけでちょっと落ち着くような感覚なのかなと。

それと、オレンジ色しかり、着色技術としても緑は表現しやすかったのだと思います。赤・黄・青の原色から混ぜ合わせればできるので、オレンジや赤や緑のものがラインナップされていくなか、心地よい緑が特にウケたのではないでしょうか」(冨永氏、以下同)



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