在日コリアンの弁護士らが平成29年に大量の懲戒請求を受けた問題をめぐり、東京弁護士会所属の金竜介弁護士が理由のない懲戒請求で名誉を傷つけられたなどとして、愛知県の男女2人に計110万円を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は11日、請求を棄却した1審名古屋地裁判決を変更、2人に計88万円の賠償を命じた。
今年6月の1審判決は懲戒請求を不当と判断する一方で、精神的苦痛を認めず請求を棄却していたが、判決理由で松並重雄裁判長は「懲戒請求は人種差別思想に基づくものと認められ、請求自体、弁護士の名誉や信用を毀損(きそん)するものと言える」と指摘した。
各地の弁護士会が28年、朝鮮学校への補助金停止に反対する声明を出したことを発端に、これに反発するブログの呼び掛けで懲戒請求が相次いだ。