夏コミ2025:メロンブックス秋葉原が仕掛ける「33時間ぶっ通し営業」の全貌

毎年夏と冬に開催され、日本最大級の同人誌即売会として知られる「コミックマーケット」(コミケ)。コミケ50周年の節目を迎える2025年の夏コミ、すなわち「コミックマーケット106」(C106)は、8月16日(土)から17日(日)の2日間にわたり、東京ビッグサイトを舞台に開催されています。この熱気あふれるイベント期間中、同人誌やキャラクターグッズの販売で知られるメロンブックスは、8月16日12時から17日21時までの約33時間にわたる前代未聞の連続営業を敢行し、コミケファンの注目を集めています。

メロンブックス33時間営業:熱狂の舞台裏

今回のぶっ通し営業の舞台となっているのは、8月16日から9月14日(日)までの期間限定で特別に復活したメロンブックス秋葉原2号店です。通常はメロンブックス秋葉原受取館として運営されているこの店舗は、夏コミ出展サークルによる新刊を中心に幅広いラインナップを展開。さらに、8月16日22時からは公式YouTubeチャンネルでの生配信も実施され、会場に来られないファンもオンラインでその熱狂を体験できるよう工夫されています。コロナ禍以降、こうした大胆な企画は珍しく、メロンブックス担当者も「ぶっ通し営業は初の試みであり、社内でも前代未聞のチャレンジ企画です!」と語るなど、その意気込みが伝わってきます。

この前例のない取り組みのきっかけは、意外にもX(旧Twitter)でのアンケート企画でした。担当者によると、「元々、エイプリルフールのネタとして『アンケートで1番だったものを年内に実施します!』と投稿したところ、予想に反して『24時間営業』が1位を獲得。これはもうやるしかない、と決断しました」とのこと。ユーモアから始まった企画が、これほどの規模で実現に至った背景には、ファンとの絆とサプライズを追求する同社の姿勢が見て取れます。

メロンブックス秋葉原2号店の外観。コミックマーケット期間中に33時間営業を行う同人誌専門店メロンブックスの旗艦店の一つ。メロンブックス秋葉原2号店の外観。コミックマーケット期間中に33時間営業を行う同人誌専門店メロンブックスの旗艦店の一つ。

「コミケーズハイ」が産んだ前代未聞の挑戦

当初は24時間営業で検討されていた企画が、最終的に33時間という驚異的な時間設定になった背景には、メロンブックスならではの「コミケーズハイ」と呼ばれる現象がありました。メロンブックスの担当者は、「弊社の従業員がコミケ期間中に陥るハイテンション状態、通称『コミケーズハイ』がその発端です(笑)。まさに“ハイ”になっている店長が『33時間営業できらぁ!』と企画書を提出したところ、見事承認されました」と、そのユニークなエピソードを明かしています。この熱意と勢いが、常識を打ち破る挑戦へと繋がったのです。

さらに、今回のコミケ期間に合わせて、メロンブックスは秋葉原UDX内にも期間限定で3号店をオープン。実はこの2号店と3号店は、過去にもコミケ開催期間に限定的に復活を遂げており、そのことからファンの間では「復活の2号店、幻の3号店」とも呼ばれています。普段はメロンブックスの総本山である秋葉原1号店(店舗受取館を除く)が中心ですが、コミケの時期に合わせて集中的に店舗展開を拡充することで、より多くのファンに新刊やグッズを提供しようという、メロンブックスのコミケに対する並々ならぬ熱意と戦略が伺えます。今回の33時間ぶっ通し営業は、まさにその情熱の象徴と言えるでしょう。

メロンブックスがXで実施した24時間営業に関するエイプリルフールアンケート。この企画が33時間ぶっ通し営業のきっかけとなった。メロンブックスがXで実施した24時間営業に関するエイプリルフールアンケート。この企画が33時間ぶっ通し営業のきっかけとなった。


参考文献