【カイロ=佐藤貴生】イスラエル国会は11日までに過半数が支持する首相候補を選出できず、国会は解散し、選挙が行われる見通しとなった。投票日は来年3月2日が有力視されている。選挙は今年4月と9月に行われたが、いずれも政権樹立のための連立協議が難航。1年以内に3回の選挙が行われるのは同国史上初めてとなる。
9月の選挙後に行われた連立政権協議では、右派・宗教勢力を率いるネタニヤフ首相と、中道・左派勢力を率いるガンツ元軍参謀総長が、ともに過半数の支持を固められず政権樹立に失敗。続いて国会に協議が委ねられたが、成果がないまま11日に期限を迎えた。
相次ぐ選挙で政府は多額の支出を強いられており、政治空転の長期化はイスラエル経済にも打撃となりそうだ。検察当局は11月下旬、ネタニヤフ氏を汚職罪などで起訴したと発表したが、同国の法律上、首相は起訴されても辞任する必要はない。来年の選挙までネタニヤフ氏が首相にとどまる見通し。