7人の「ウクライナ応援団」がトランプに与えた無言の圧力、和平に向けた大きな一歩の前に山積する課題とは?


侵攻後で最も前向きな発言をしたゼレンスキー

 これまでプーチン大統領は、ゼレンスキー大統領の直接会談の要請を拒否してきた。その意味で、トランプ大統領は両者の仲介役として重要な役割を演じた。

 ゼレンスキー大統領が会議後にホワイトハウスの前で記者団に向けて発したコメントは、2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻が始まって以来、彼の言葉としては最も前向きな内容だった。「領土問題については、私とプーチン大統領が話し合う。ワシントンの首脳会議では、ウクライナにとって不利な決定は一切行われなかった。安全についての保証(セキュリティー・ギャランティー)や、ロシアが自国に連行したウクライナの子どもたちの帰還、捕虜の交換など重要な問題のディテールについては、今後文書化していく」。

 彼の言葉は自信と期待に満ちていた。「トランプ大統領との会談は、これまででベストの会談だった」とも言った。

 ゼレンスキー氏のコメントは、一部のメディアが会議前に報じていた、「ウクライナは、まだロシアが完全に占領していないドネツク地方などの支配権を、ロシアに移譲する」というロシアの提案を、首脳会議の参加者たちが重視しなかったことを示す。トランプ氏がウクライナにこの提案を押しつけなかったことは、欧州勢にとって僥倖(ぎょこう)だった。



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