静岡県伊東市の田久保真紀市長に持ち上がっている学歴詐称疑惑は、現在も市政を巡る大きな焦点となっています。その渦中にある田久保市長が、2025年8月20日、自身のX(旧Twitter)アカウントを通じて、かねてより問題視されている伊豆高原でのメガソーラー計画に関する自身の見解を積極的に発信しました。この発言は、辞任を撤回し続投を決めた背景にある「改革」の意思を改めて示すものと見られています。
伊東市のウェブサイトに掲載されている田久保真紀市長の肖像。学歴詐称疑惑とメガソーラー問題で注目される伊東市政のトップ。
学歴詐称疑惑の経緯と市長の対応
田久保市長の学歴に関する問題は、市の広報誌に「平成4年(1993年)に東洋大学法学部を卒業」と記載されていたことに対し、「実際は卒業していない」との投書が市議会に寄せられたことから始まりました。その後の調査で、田久保氏が大学を除籍されていた事実が明らかになっています。
この疑惑を受け、市議会は真相究明のため百条委員会を設置し、田久保市長に対し、自身が「卒業証書」と主張する書類の提出を求めました。しかし、市長はこの要求に応じることを拒否し続けています。一時は7月中の辞任と出直し選挙への立候補を表明していた田久保市長ですが、7月31日には突如これを撤回。「改革への道はまだ本当に始まったばかり」と述べ、続投の意思を強く表明しました。この際、続投の主要な理由として挙げられたのが、伊豆高原での「メガソーラー計画」の白紙撤回を実現させるという主張でした。
続投の主要因「伊豆高原メガソーラー計画」の現状
田久保市長が続投の理由として強調するメガソーラー計画について、8月20日のX投稿で具体的な状況に言及しました。同氏は「工事は止まっていますが、事業そのものは無くなっていませんし、裁判も続いていて予断を許さない状況であることに変わりはありません」と述べ、問題の根深さを改めて訴えました。
さらに、市長は前市政の問題点を指摘し、「前市長は事業者と秘密裏に確約書を結んだ後、2023年1月に宅造許可の変更申請を認めて事業を前進させています」と主張しました。この日付に関しては、翌21日に「変更許可が下りたのは2022年の7月でした。訂正致します。2023年1月は私たちが前市長に抗議の為に面談した日でした」と訂正投稿をしています。
前市長との関連と住民訴訟の展開
田久保市長はまた、小野達也前市長と地元住民との間の経緯にも言及しました。新たに与えられた宅地造成許可に対する取り消し請求裁判の期限が半年と迫る中、「本当に奇跡のようなギリギリでこの事実が発見され、現在も住民による宅造法変更許可への取り消し裁判が続いています」と述べ、住民側の訴訟が現在進行形であることを強調しました。これらの発言から、市長は学歴疑惑に対する批判を受けながらも、メガソーラー問題解決を市政における最重要課題と位置づけ、その解決に全力を尽くす姿勢を示していることがうかがえます。
結論
伊東市の田久保真紀市長は、学歴詐称疑惑による百条委員会の調査と辞任要求に直面しながらも、伊豆高原メガソーラー計画の解決を大義名分として続投する意思を固めています。Xでの活発な情報発信は、同計画の複雑な経緯と、前市政からの問題、そして現在も続く住民訴訟の状況を市民に訴えかける試みと見られます。これらの問題の進展は、今後の伊東市政に大きな影響を与えることとなるでしょう。
参考文献
- Yahoo!ニュース: 伊東市の田久保真紀市長、学歴詐称疑惑渦中にXでメガソーラー問題発信「改革への道はまだ始まったばかり」
- J-CASTニュース: 田久保真紀市長はX投稿を活発化