韓国若者の「快晴」誤解から露呈する言語能力低下の実態

韓国で、会社員が後輩に「快晴」の意味を教えた際、「もしかして朝鮮族ですか?」と返され困惑した体験談が、オンラインで話題を集めています。この一件は、韓国の若者における言語理解力、特に漢字語の認識不足という社会問題の一端を浮き彫りにしています。

「快晴」を巡る世代間の言葉の壁と困惑

オンラインコミュニティの投稿によると、週末出勤した先輩社員は、同行した後輩に「今日は快晴だ。早く仕事を終えて遊びに行こう」と声をかけました。後輩は「『快晴』はお酒を飲んだ翌日に二日酔いにならなかった時に使う言葉」と誤解。先輩が「『快』は愉快・爽快の快、『晴』は晴天の晴で、空が爽やかに晴れている意味だ」と説明すると、さらに「漢字を使って詳しく説明していましたよね。もしかして朝鮮族ですか?漢字がすごくお上手だなと思って」と返しました。

青空が広がる快晴の日の風景、韓国の言語問題を示すイメージ青空が広がる快晴の日の風景、韓国の言語問題を示すイメージ

祖父母から自身まで全員韓国人である先輩社員は、「面前でそんなことを言われて、表情を隠せなかった」と吐露。後に後輩から謝罪のメッセージがあったものの、「快晴ってそんなに難しい単語か」と困惑を隠せませんでした。

広がる韓国若者の言語理解力不足と社会的背景

韓国では、このような若い世代の言語理解力を巡る議論が度々浮上しています。「三日」を「四日」と誤解したり、「深い謝罪」を「退屈な謝罪」と読み違えたりするケースが報告され、語彙力だけでなく文脈を読み解く「読解力低下」が問題視されています。

OECD調査が警鐘を鳴らす成人言語能力の現状

経済協力開発機構(OECD)が2022年12月に発表した「国際成人力調査(PIAAC)」の結果は、この問題の深刻さを示唆しています。調査によると、韓国の成人(16〜65歳)の言語・数理能力、問題解決能力のいずれもOECD平均を下回りました。特に言語能力は、10年前の調査と比較して大きく低下し、すべての年齢層でスコアの落ち込みが見られました。このデータは、韓国全体における言語能力の構造的な課題を浮き彫りにしています。

「快晴」を巡る一件は、韓国社会における若者を中心とした言語能力、特に漢字語理解の低下という課題を改めて提起しました。OECDの国際調査結果もこの傾向を裏付けており、教育現場や社会全体での読解力向上に向けた継続的な取り組みが、今後の韓国社会にとって喫緊の課題となるでしょう。

参考文献

KOREA WAVE/AFPBB News (https://news.yahoo.co.jp/articles/1eb2c6db923599128ccda10c7976e8ec0c35c108)
経済協力開発機構(OECD)国際成人力調査(PIAAC)2022年12月発表