ロシア軍が無人機やミサイルによる空襲を連日行っているウクライナでは、市民の眠れぬ夜が続き、疲労が色濃くなっている。長期戦を耐えるため、睡眠を確保しようと模索が続く。
4日夜のキーウ。空襲警報が鳴り、地下鉄の駅に市民が集まり始めた。約30分後に警報は解除されたが、その後も寝袋やキャンプ用のベッドなどを抱えた人たちがホームへ降りてきた。多くの人が朝まで過ごすという。
近くに住むタマラさん(79)は夫(79)と孫(20)と避難し、「定位置」に椅子やベッドを組み立てた。近所にミサイルが落ちた際に自宅の壁にひびが入り、「次に衝撃があれば崩れる。怖くて眠れない」と駅で寝るようになった。
食品小売店に勤めるルドミラ・フラマルチュクさん(39)は、夫(37)と長女(9)と猫を連れて2か月前から毎日駅で寝ている。「警報の度に避難したのでは、寝不足で日中頭が働かない。寝心地よりも睡眠時間が大事」と話した。 (キーウ 倉茂由美子)