NHK連続テレビ小説『あんぱん』が8月22日に無事クランクアップを迎えました。国民的ヒーロー『アンパンマン』の生みの親であるやなせたかしさんと妻・小松暢さんをモデルにしたこの物語は、多くの視聴者の心を掴んでいます。最終撮影を終え、主演の今田美桜さんと北村匠海さんから、撮影期間を振り返る温かいコメントが寄せられました。約1年間にわたる制作の集大成として、作品への深い愛情と共演者、スタッフ、そして視聴者への感謝が語られています。
NHK連続テレビ小説『あんぱん』、主演の今田美桜と北村匠海が笑顔でクランクアップ報告
『あんぱん』の物語と背景
本作は、NHKの朝ドラとしては第112作目にあたります。『アンパンマン』を世に送り出した漫画家・やなせたかしさん(劇中では柳井嵩役・北村匠海)と、献身的に彼を支え続けた妻・小松暢さん(劇中では柳井のぶ役・今田美桜)の夫婦の半生をモデルにした勇気と愛の物語です。実在の人物を基にしながらも、登場人物名や団体名などは一部改称され、フィクションとして描かれています。脚本は、これまでに『花子とアン』や大河ドラマ『西郷どん』など数々のヒット作を手がけてきた中園ミホさんが担当しており、その丁寧な人物描写と感動的なストーリー展開で注目を集めています。
主演・今田美桜が語る「のぶ」への深い思い
柳井のぶ役を演じきった今田美桜さんは、撮影期間の1年間を振り返り、作品と役柄への深い愛情を明かしました。「すごく笑った記憶と、あとは泣いた記憶と、全部がいとおしくて、のぶを演じられて本当に良かったと心から思います」と語り、のぶとして生きた日々がかけがえのないものになったことを強調しました。特に、夫・嵩を演じた北村匠海さんへの感謝は大きく、「嵩が北村匠海さんで本当に良かったです。たくさん救われました。ありがとう」と感謝の言葉を述べました。さらに、素晴らしい制作チームと共に『あんぱん』を作り上げられたことについて、「私の一生の財産です。幸せです。ありがとうございました」と、感謝と喜びを噛み締めました。
朝ドラ『あんぱん』のぶ役、今田美桜が晩年期の特殊メイク姿で撮影を終える
北村匠海、朝ドラ初出演の苦悩と支え
柳井嵩役を務めた北村匠海さんは、初めての連続テレビ小説出演について正直な胸の内を語りました。「僕は朝ドラというものが初めてで、正直悩むこともありましたが、とにかくすばらしい現場でした」と述べ、撮影現場の熱量の高さが、自身が役作りに深く関わるきっかけになったと振り返っています。今田美桜さんとの夫婦役については、「今田さんと僕が夫婦の役で朝ドラと関わるのは、最初で最後かもしれないとずっと感じていました。その作品が『あんぱん』で本当に良かったです」と特別な思い入れを語りました。また、今田さんの隣で過ごした時間を通じて、「嵩として、北村としてのぶを支えることが僕の責務だと思っていました。本当に最後までよく走りきったと思います。今田さん以外ののぶは考えられません。本当にありがとうございました」と、今田さんへの強い信頼と感謝の意を示しました。
制作統括・倉崎憲からのメッセージ
制作統括の倉崎憲さんは、昨年9月上旬の高知ロケでクランクインしてから約1年間の撮影期間を振り返り、「本当にあっという間でした。それほどまでに毎日濃度が高く、すばらしいドリームチームで全撮影を終えることができ、振り返れば全ての時間がいとおしいです」と、充実した日々であったことを強調しました。座長として現場を牽引した今田美桜さん、そして隣で支え続けた北村匠海さん、さらには全キャスト、スタッフ、関係者への深い感謝の言葉を述べました。また、視聴者から日々寄せられる温かい声が、制作陣にとって大きな活力になっていることも明かしました。残りの放送期間が約1ヶ月となる中で、「今も愛され続けるアンパンマンはどのように誕生していくのか。最終回までぜひ楽しみにご覧いただけますと幸いです」と、今後の物語への期待を寄せるメッセージを送りました。
終わりに
『あんぱん』のクランクアップは、約1年間にわたるキャストとスタッフの情熱、そして『アンパンマン』誕生の物語に込められた深いメッセージが形になった瞬間です。今田美桜さんと北村匠海さんが語った感謝の言葉、そして制作統括の倉崎憲さんのメッセージからは、この作品が作り手にとっても忘れられない経験となったことが伝わってきます。放送は残り約1ヶ月となり、やなせたかし夫妻がどのようにして国民的ヒーローを生み出したのか、そのクライマックスに注目が集まります。彼らの勇気と愛の物語を、ぜひ最後まで見届けてください。