グローバル動画配信サービスが「男性セラピストオーディション番組」配信を突如見送り、その背景とは

近年、女性の新たな癒しの場として店舗数を増やしている「女性用ファンタジーマッサージ店」。その最大手である「東京秘密基地」を舞台にした、画期的な『男性セラピストオーディション番組』のプロジェクトが、誰もが知るグローバル動画配信サービスで進行していた。しかし、撮影がおおむね完了していたにもかかわらず、突如として配信が見送られるという異例の事態が発生した。本記事では、この注目の企画の経緯、撮影現場の様子、そして配信中止の背景に隠された現代社会の複雑な事情に迫る。

「女性用ファンタジーマッサージ」と世界的配信サービスの挑戦

女性のための新たなリフレッシュの形として注目を集める「女性用風俗店」、別名「女性用ファンタジーマッサージ店」。この市場を牽引する「東京秘密基地」が、世界的知名度を持つ動画配信サービスとタッグを組み、ユニークな『男性セラピストオーディション番組』を企画した。有名女性タレントがオーディションに参加した男性セラピストの施術を受け、最高のセラピストを選ぶというコンセプトは、女性の「性」に対するオープンな意識を後押しするものとして大きな期待が寄せられていた。

撮影現場の舞台裏:プロフェッショナルな進行と高まる期待

番組の撮影は今年の早い時期に行われた。参加した20代の女性は、現場の様子を次のように語っている。「番組側が用意した2名のインティマシー・コーディネーターのサポートのもと、撮影は滞りなく進んでいました。バストへのマッサージやキスなどのシーンもありましたが、みな真剣に取り組んでいたのでトラブルはなく、雰囲気はさながら人気リアリティ番組『バチェラー』のようでしたね」。約2週間にわたる撮影期間中、制作スタッフからも「女性が性をもっとオープンに楽しめるようになってほしいという制作側の意気込みは十分に感じましたし、演者に対しては十分な配慮を感じました。現場は非常に和気あいあいとした雰囲気で、『これは流行るぞ』と盛り上がっていたんです」と、そのプロフェッショナルな対応と番組への確かな手応えが伺える。

男性セラピストオーディション番組の宣伝動画。女性客と男性セラピストが向かい合い、和やかな雰囲気が伺える。男性セラピストオーディション番組の宣伝動画。女性客と男性セラピストが向かい合い、和やかな雰囲気が伺える。

突如告げられた「配信見送り」の連絡と背景にある社会情勢

順調に進んでいたかに見えたプロジェクトだが、撮影終了後、出演者には『配信見送り』の連絡が届いた。前述の20代女性は、「番組の担当者から、『配信会社の一存で今後の撮影はない』と伝えられたんです。撮影自体はおおかた終わっていたのですが、“無期限延期”ということで、放送自体できなくなってしまったという内容のようでした。2週間ほぼ缶詰で撮影していたので、そんなことがあるのかと驚きでした」と、その時の衝撃を明かした。しかし、拘束された時間や労力に見合う十分なギャラは支払われるという契約も交わされた。

この異例の配信見送りについて、前出の制作スタッフは「時期が悪かったのではないか」と推測する。「私たちも詳しい理由はわからないのですが、今年に入ってからフジテレビの問題や、女性の性被害に関する話題が多かったタイミングだったので、やはりそこに配慮したのではないかと…。撮影ではその点には十分な配慮をしていたし、残念な気持ちです」。グローバル動画配信サービス側からは、この件に関する公式な回答は得られていないものの、社会的な敏感さが背景にある可能性が指摘されている。

高まる世間的認知と残るハードル

今年4月には、女性が男性からサービスを受ける店をテーマにしたドラマ『ジョフウ』(テレビ東京)が放送され、これらのサービスに対する世間的な認知度は確実に上昇している。しかし、その一方で、世界的な配信サイト上で性に関するテーマを扱う番組を制作・配信するには、依然として高いハードルが存在することも明らかになった。社会情勢への配慮や倫理的な議論は、エンターテインメント業界が避けて通れない課題であり、特にデリケートな内容を扱う際には、その影響は一層大きくなる。

結論

グローバル動画配信サービスが手掛けた『男性セラピストオーディション番組』の配信見送りは、女性用風俗サービスの認知度が高まる現代において、エンターテインメントと社会規範の間の複雑な関係性を浮き彫りにした。撮影現場での配慮や出演者の熱意は本物であったものの、性被害に関する議論が活発化する社会情勢が、プロジェクトに予期せぬ影を落とした可能性は高い。この企画が完全に中止されたわけではないとの声もあり、今後の社会情勢の変化によっては、再び日の目を見る可能性も残されている。

参考文献