拉致家族・救う会が国際セミナー 専門家「対北制裁、緩めるな」 タイ人被害者家族も訴え





拉致被害者救出を考える国際セミナーで挨拶する拉致被害者家族の横田早紀江さん(左)=13日午後、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)

 北朝鮮による拉致被害者の家族会と支援組織「救う会」は13日、東京都内で海外の拉致被害者家族や国際情勢分析の専門家らを招いた国際セミナーを開催し、拉致問題解決の方策などについて議論した。

 永田町の参院議員会館でのセミナー冒頭、家族会代表で田口八重子さん(64)=拉致当時(22)=の兄、飯塚繁雄さん(81)は「拉致被害者は平成という時代を知ることのないまま、今も監禁されている。政府には私たちがいい状態のうちに愛する家族と会えるよう、動いてもらいたい」と期待を込めた。

 23歳だった1978年(昭和53年)にマカオで北朝鮮に拉致されたタイ人のアノーチャー・パンチョイさんのおい、バンジョン・パンチョイさんも登壇。「金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は世界中の拉致への関与を認め、被害者を自国に帰してほしい」と訴えた。

 米朝関係や朝鮮半島情勢をテーマにした討論では、救う会の西岡力会長が、「米国を中心とする国際社会の経済制裁は効いており、緩めずにいれば最近は進展がない米朝交渉も必ず動く」と指摘。「米朝が動けば拉致も動くという枠組みは、すでにできている。日本政府は見せかけの進展は求めず、『全被害者の即時一括帰国』という姿勢を維持すべき」と述べた。

 セミナーには拉致問題担当相の菅義偉(よしひで)官房長官も参加し、「正念場が続いている」と解決への決意を語った。



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