済州航空機、務安空港で着陸失敗炎上事故:179名死亡の悲劇

韓国南西部、全羅南道の務安国際空港で2024年12月29日午前、バンコク発済州島行きの済州航空機が着陸に失敗し、炎上する痛ましい事故が発生しました。この事故により、乗客乗員181名のうち179名が死亡、2名の乗員が救助されました。搭乗していた乗客175名の内訳は韓国人173名、タイ人2名で、日本人乗客の情報は現時点ではありません。

事故の経緯と原因究明への取り組み

事故機は午前9時3分頃、務安国際空港への着陸を試みました。管制塔は事故機に対し、午前8時57分にバードストライクへの注意喚起を行っており、その2分後、パイロットから遭難信号が発せられました。その後、再着陸を試みたものの、車輪が正常に作動せず胴体着陸に至ったとみられています。

alt:炎上する済州航空機と空港の緊急車両alt:炎上する済州航空機と空港の緊急車両

韓国メディアの報道によれば、事故機は滑走路を逸脱し、壁に激突した後に炎上しました。韓国当局は、バードストライクが操縦困難を引き起こした可能性を指摘していますが、エンジン故障と車輪の不具合との関連性は低いとみています。現在、回収されたフライトレコーダーの分析などを通じ、慎重な原因究明が進められています。

政府と航空会社の対応

韓国政府は、崔相穆経済副首相兼企画財政相を現地に派遣するなど、総力を挙げて原因究明と遺族への対応にあたっています。済州航空は2005年設立の格安航空会社(LCC)で、成田、大阪(関西)、福岡など日本の主要都市と韓国を結ぶ路線を運航しています。2023年には日韓路線で357万人が利用しました。今回の事故便である務安・バンコク線は、今月初旬に就航したばかりでした。航空安全専門家の田中氏(仮名)は、「LCCの急速な路線拡大に伴い、安全管理体制の強化が急務である」と指摘しています。

今後の安全対策への期待

今回の事故は、航空業界全体にとって大きな衝撃を与えました。再発防止のため、徹底的な原因究明と安全対策の強化が求められています。関係当局による調査結果が待たれるとともに、航空会社には安全運航に対する責任が改めて問われています。

この事故は、空の安全に対する信頼を揺るがす重大な出来事となりました。犠牲者の方々のご冥福をお祈りするとともに、二度とこのような悲劇が起こらないことを切に願います。