「拉致は誘拐。もっと声を」半井小絵さんが愛媛で講演





国民全体の意識変革を強く呼びかける半井小絵さん=愛媛県庁

 気象予報士で女優の半井(なからい)小絵(さえ)さん(46)が愛媛県庁で講演し、「(北朝鮮による)拉致は誘拐であり、事件です。国民全体でもっと声を上げるべきだ」と訴えた。

 「拉致問題解決のために-舞台『めぐみへの誓い』から-」と題して11日、講演した。半井さんは表題にある舞台で拉致被害者の田口八重子さん(64)=拉致当時(22)=役を演じており、上演時の映像などを紹介しながら、「私は舞台ではその人になって立っている。被害者やその家族の気持ちを思うと、胸が張り裂けそう」と話した。

 また、学校教員の一部から「朝鮮人への差別につながる」と劇を批判されたエピソードを紹介した上で、「拉致は北朝鮮の国家犯罪で、在日の方を批判しているわけではない。ある大学でも『かかわって大丈夫か』と言われたことがあるが、拉致は誘拐だ。(思想傾向が)右とか左とか、そういうことでごちゃごちゃ言ってほしくない」と決然といった。

 北朝鮮に拉致された可能性をぬぐいきれない特定失踪者については、「国民の多くは特定失踪者について詳しく知らない。警察の登録で800人以上もいるし、愛媛県にもいる。家族をはじめそれにかかわる人たちは何万人もいて、長年、苦しんでいる」と述べ、拉致や特定失踪者への関心をもっと高めるべきだとも呼びかけた。

 さらに、世界のスタンダードでは自分たちの国は自分たちで守ることが当たり前とした上で、「本当は取り戻しに行きたいが、アメリカ頼みの現状になっている。それが歯がゆい」と述べた。その上で、拉致被害者、特定失踪者とも全員が帰国できるよう有権者も政治家も国民全体で意識を変えることが必要で、「政府が動くことを私も期待している」と話した。

 愛媛県では、特定失踪者として、伊予市出身の大政由美さん(52)=失踪時(23)、八幡浜市出身の二宮喜一さん(81)=同(24)、今治市出身の山下綾子さん(77)=同(28)=の3人が公開されている。

 講演は北朝鮮人権侵害問題啓発週間(12月10~16日)の研修の一環行事として愛媛県職員、市町職員を主な対象として開かれた。半井さんの講演前には大政さんの母、悦子さん(78)がマイクを取り、「今年も寒くなった。北朝鮮はもっと寒い。北に拉致された人は何を考えているのだろうか。いつ助けに来てくれるんだろうと思っているでしょう。その人たちのことを思うとたまらなくなる」と長年続く悲痛な思いを述べた。

 内閣官房拉致問題対策本部から堀内弘参事官補佐も出席し、政府の拉致解決に向けた取り組みを紹介。「動きがないように見えるが、水面下でいろいろやっている。北朝鮮に知られては救出に影響が出るので発表はできない」と述べた。県によると職員以外の参加者も含め約280人が聴講した。



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