ハーバード大研究:中年女性のコーヒー3杯以上摂取が「健康な老化」と関連

中年女性に朗報です。日々のコーヒー習慣が、「健康な老化(ヘルシーエイジング)」につながる可能性が、最新の研究で示されました。特に45歳から60歳の中年期にある女性において、1日3杯以上のコーヒー摂取が良い影響を与える可能性が指摘されています。

研究の詳細と定義

この注目すべき研究は、米国のハーバード大学とカナダのトロント大学が共同で実施したものです。4万7513人の看護師を対象に、実に30年間にわたる長期的な追跡調査を行い、コーヒー摂取量と健康状態の関係を詳細に分析しました。

研究チームは「健康な老化」を厳密に定義しています。これは、単に長生きするだけでなく、70歳以上であることに加え、がん、心血管疾患、糖尿病など11種の主要な慢性病を抱えていないこと、身体機能、認知機能、精神機能がすべて正常であること、そして記憶力の低下がない、という四つの厳しい条件すべてを満たす状態とされています。2016年時点で、調査対象者のうち3706人がこの「健康な老化」群に分類されました。

コーヒーを飲みながら健康的なライフスタイルを送る中高年女性コーヒーを飲みながら健康的なライフスタイルを送る中高年女性

研究結果と示唆されるメカニズム

分析の結果、45歳から60歳の中年期に毎日約315mgのカフェインを摂取していた群が、最も健康的に老いる割合が高いことが判明しました。これはコーヒーに換算すると、およそ3杯分に相当します。さらに、コーヒーを1日1杯多く飲むごとに(最高5杯まで)、健康的に老いる確率が2~5%ずつ上昇するという結果も出ています。

興味深いことに、紅茶や炭酸飲料(特にコーラ)では同様の健康効果は確認されませんでした。むしろ、炭酸飲料の摂取は健康老化の可能性を20~26%も低下させるという対照的な結果が出ています。

研究を主導したサラ・マダヴィ博士は、コーヒーに含まれるクロロゲン酸などの多くの生理活性化合物が、健康な老化に寄与している可能性を示唆しています。これらの化合物が、体内の炎症を抑制したり、血管機能を改善したり、血糖値を調整したりすることを通じて効果を発揮すると考えられています。

また、コーヒーの効果は、運動習慣、バランスの取れた食事、禁煙といった健康的なライフスタイルとの組み合わせによって、より高い相乗効果が期待できると付け加えています。

今回の研究は、中年女性にとって日常的なコーヒー摂取が、長期的な健康維持、特に健康な老化に良い影響を与える可能性を示唆しています。ただし、コーヒー単独ではなく、バランスの取れた生活習慣と併せることが重要です。

[参考] KOREA WAVE/AFPBB News