北京軍事パレードで注目される中露朝首脳の結束:歴史認識と国際情勢への波紋

来月3日、中国の北京で抗日戦争勝利80年を記念する軍事パレードが開催されます。習近平国家主席に加え、ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩総書記が出席し、3首脳が並んでパレードを観閲することが決定。この異例の結束は国際社会の注目を集め、中露朝の連携強化と国際情勢への影響、特に日本への波紋について深く考察が求められています。

金総書記、ウクライナ侵攻戦死兵の遺族と面会:露朝連携の現実

北京での軍事パレードを前に、8月30日、北朝鮮メディアは金正恩総書記がウクライナ侵攻でロシア軍支援のために派遣され、戦死した北朝鮮兵の遺族と面会する映像を公開しました。金総書記は映像の中で遺族の子どもを抱き寄せ、その頬にキスをするなど、深い悲しみに寄り添う姿を見せています。遺族に対し「国の尊厳と名誉を守って耐え難い喪失の痛みに耐え抜き、敬虔で熱い気持ちを禁じえません。どうしても仕事が手につきません」と述べた金総書記の発言は、故人を悼むとともに、北朝鮮がロシアへの軍事支援を続けている実態を内外に示唆するものです。

プーチン大統領、日本と欧州の「軍国主義」を名指し批判

一方、中国訪問を控えたロシアのプーチン大統領は、中国の新華社通信のインタビューに応じ、国際情勢に関する見解を表明しました。プーチン大統領は、「偽りのロシア・中国脅威論を口実に、日本の軍国主義が復活しつつある」と、日本を名指しで強く批判しました。さらに、ドイツを含むヨーロッパ諸国が「過去の歴史を恥じることもなく、むしろヨーロッパ大陸の再軍備化をたくらんでいる」と非難し、歴史問題と現在の安全保障政策を絡めて欧米諸国を牽制する姿勢を示しました。
プーチン大統領はまた、「ソ連と中国の両国民が、ナチズムと日本の軍国主義に共同で立ち向かった経験は、我々にとって、永遠の価値を持つ」と強調。今回の抗日戦争勝利80年記念の軍事パレードを、歴史認識における中国との共闘を内外にアピールする場と位置づけました。

北京での中露朝首脳会談と3首脳パレード観閲計画

今回の北京訪問では、軍事パレード前日には5月以来となるプーチン大統領と習近平国家主席の首脳会談が予定されています。また、プーチン大統領は昨年6月以来となる金正恩総書記との会談も検討しており、中露朝3ヶ国の連携強化に向けた動きが活発化すると見られます。
そして来月3日の軍事パレード本番では、習主席を挟んでプーチン大統領と北朝鮮の金正恩総書記が着席し、3首脳が並んでパレードを観閲することが判明しました。この歴史的な光景は、3ヶ国が国際秩序において一定の結束を示すものとして、今後の国際情勢に大きな影響を与える可能性があります。

専門家が分析する「同床異夢」の結束と日本への警鐘

筑波大学の東野篤子教授は、この3首脳の会合について分析しました。東野教授は、中国、ロシア、北朝鮮の関係は「同床異夢といいますか、必ずしも一枚岩ではありません」と指摘。そのため、3首脳が一堂に会したとしても、「アメリカを含めた今後の国際情勢が、何か大きく変わるということはない」との見方を示しました。
しかし、その一方で東野教授は、警戒すべき点として、ロシアがウクライナとの戦争を終わらせるつもりがないこと、中国が主に経済面で、北朝鮮が軍事面でロシアに協力している現状を挙げました。「日本の隣国が、軍事力による現状の変更を積極的に推し進めている。日本はそういった国々に取り囲まれている状況なんです」と警鐘を鳴らし、「こういった国々の企みに断固として対応していくのかということに関しては、よくよく我々日本人は考えた方が良い」と、日本の安全保障政策における喫緊の課題を強調しました。

北京での中露朝3首脳による軍事パレード観閲は、国際秩序への大きな影響を示唆します。筑波大学の東野教授が警鐘を鳴らす通り、軍事力で現状変更を進める近隣国に囲まれた日本の安全保障環境は複雑化の一途。この結束の裏側で、日本は国際情勢の動向を注視し、戦略的な外交・防衛対応を早急に検討する必要があります。

参考資料

  • All Nippon NewsNetwork (ANN) – テレビ朝日系列の報道
  • 新華社通信(中国)