大晦日の風物詩『第76回NHK紅白歌合戦』に向けて、東京・渋谷のNHKホールでは連日リハーサルが行われ、出場アーティストが本番に向けた準備を進めています。そんな中、番組放送直前の12月28日、歌手の松田聖子さん(63)が出演することが発表され、ファンの間で大きな話題となっています。特に、発表後の曲順更新により、彼女が事実上の「大トリ」を務めることになり、その異例の対応が注目を集めています。
松田聖子、5年ぶりの紅白出場
松田聖子さんが紅白歌合戦に出演するのは今回で25回目となり、2020年以来5年ぶりの舞台となります。今回は特別企画として、デビュー元年の1980年に初めて紅白で披露した代表曲「青い珊瑚礁」を歌唱する予定です。聖子さんは出演にあたり、「放送100年という輝かしい節目、そして私自身のデビュー45周年に、再び紅白のステージに立たせていただけることを、心から光栄に思います」と意気込みを語っています。
彼女は2021年に一人娘である神田沙也加さんが急逝したことを受け、同年予定されていた紅白歌合戦の出場を辞退して以来、同番組からは遠ざかっていました。それだけに、今回の満を持しての“復活”は、多くのファンから歓迎の声が上がっています。
歌手の松田聖子さん、NHK紅白歌合戦のリハーサルにて
異例の「大トリ」順に疑問の声
しかし、今回の発表で驚きを呼んだのはその出順です。26日に発表された曲順では、白組のMrs. GREEN APPLEがバンドとして初の大トリを務めることが決定していました。ところが、松田聖子さんの出演発表に伴い更新された曲順では、彼女の歌唱順はMrs. GREEN APPLEの後となっており、これが事実上の「大トリ」を意味することになります。
このため、Mrs. GREEN APPLEの大トリを楽しみにしていたファンを中心に、SNS上では「曲順の意味は?」「特別企画が多すぎる」といった懐疑的な声も散見されています。過去10年の紅白を振り返ると、2018年にはサザンオールスターズが特別企画で大トリを務めましたが、その出演発表は12月12日、曲順発表は27日と、今回は発表タイミングが異なっています。
関係者も驚くNHKの「特別扱い」
ある音楽関係者も、今回の松田聖子さんの発表には驚きを隠せない様子です。彼によると、「12月中旬ごろから、聖子さんが『紅白』に出るかもという噂は一部で広まっていました。聖子さんが辞退した2021年以降も、NHKは毎年のようにオファーをしていたそうですが、やはり沙也加さんを喪った悲しみは大きく、なかなか実現せず、放送100年でついに念願が叶ったということでしょう」と背景を説明しています。
一方で、「曲順を発表した後に、大トリが“更新”されるということは聞いたことがありません。サザンオールスターズでさえも曲順発表前には出演が発表されていましたし、2020年には玉置浩二さんの出演が12月30日に急遽発表されましたが、大トリではありませんでした。異例の“特別扱い”であることは間違いありません」と、今回のNHKの対応が極めて異例であると指摘しています。これは、NHKが松田聖子さんのパフォーマンスにそれだけの期待を寄せていることの表れだと考えられています。
今回の松田聖子さんの紅白歌合戦出演は、その歌唱力はもちろんのこと、異例の「大トリ」という形で、年末の大きな話題となることは確実でしょう。





