中国、重要外交日程で求心力誇示 米欧主導秩序への修正狙う

中国では8月末から9月初めにかけて重要な外交日程が続き、ロシア、北朝鮮、インド、インドネシアなど各国の首脳が一堂に会します。「米国第一」を掲げるトランプ米政権への反発が「グローバルサウス」と呼ばれる新興国・途上国の間で高まる中、中国はこれらの機会を通じて国際社会における求心力を誇示し、これまで米欧が主導してきた国際秩序の修正へと繋げることを目指しています。

グローバルサウス結集の場、上海協力機構(SCO)首脳会議

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)が「中国における2つの重大イベントが世界の視線を集めている」と強調した通り、最初の注目イベントは8月31日から9月1日にかけて天津市で開催される上海協力機構(SCO)首脳会議です。

SCOは中国とロシアが主導する新興・途上国による多国間協力枠組みであり、中国政府によると、習近平国家主席が主宰します。会議にはプーチン露大統領やモディ印首相、インドネシアのプラボウォ大統領、イランのペゼシュキアン大統領ら20人以上の外国首脳と、国連のグテレス事務総長ら10人の国際機関代表が出席予定です。中国は先進国が主導する国際秩序への対抗軸の一つとしてSCOを重視しており、首脳会議では「トランプ関税」に見舞われる新興・途上国の結束を確認し、共同での国際的な発言力強化を図る見通しです。

SCO首脳会議が開催される天津市のメディアセンター外観。各国の報道陣が集まる様子を示し、中国外交の重要性を象徴しています。SCO首脳会議が開催される天津市のメディアセンター外観。各国の報道陣が集まる様子を示し、中国外交の重要性を象徴しています。

抗日戦勝80周年記念行事と「戦勝国」の立場

もう一つの重要な日程は、9月3日に北京市で行われる抗日戦勝80年の記念行事です。この行事では大規模な軍事パレードなどが予定されており、外国首脳26人が出席する予定です。プーチン露大統領をはじめとするSCO首脳会議出席者の多くに加え、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記らも参加します。

中国は記念行事を通して、自身が「戦勝国」であるという歴史的立場を国内外に強くアピールし、国際社会における正当性と影響力を示そうとしています。中国外務省によると、習近平国家主席は8月30日、天津でグテレス国連事務総長と会談し、「国連と協力を深め、共に世界平和を守ることを望む」と述べ、国連との連携を通じた国際秩序への貢献姿勢も示しました。

多様化する国際関係と二国間会談

これらの多国間会議の合間には、習近平国家主席が訪中した各国首脳らとそれぞれ会談する予定です。特に注目されるのは、プーチン露大統領とのウクライナ問題を巡る対応協議や、昨年冷え込みが伝えられた北朝鮮の金正恩総書記との中朝関係改善に向けた話し合いです。これらの二国間会談は、地域の安全保障と国際情勢に大きな影響を与える可能性があります。

結論

一連の重要外交日程は、中国が国際社会におけるリーダーシップと「グローバルサウス」の結集を通じて、既存の国際秩序に挑戦し、自国主導の新たな枠組みを構築しようとする野心を示しています。特に米中対立が激化する中で、中国がどのように国際的な求心力を高め、その影響力を拡大していくのかが注目されます。

参考文献