アフガニスタン東部でM6.0地震発生、死者812人・負傷者2800人超 タリバンが発表

【カブール共同】米地質調査所の発表によると、アフガニスタン東部で8月31日深夜(日本時間9月1日午前)、マグニチュード(M)6.0の地震が発生しました。イスラム主義組織タリバン暫定政権のムジャヒド報道官は9月1日、首都カブールで記者会見を開き、この地震によりクナール州とナンガルハル州を中心に、これまでに計812人が死亡、2800人以上が負傷したと発表しました。山岳地帯での大規模な被害が懸念されており、犠牲者数はさらに増加する恐れがあります。

甚大な被害と救助活動の現状

今回の地震による死傷者の大半は、アクセスの難しい山岳地帯に位置するクナール州で確認されています。被災地域には土や石を多用した簡素な住宅が多く、これらの家屋が多数倒壊し、住民が下敷きになるなどして被害が拡大したとみられています。現地メディアは、倒壊した家屋の下から生存者を救出するための救助活動が現在も懸命に続けられていると報じており、被害の全容はまだ把握できていない状況です。

アフガニスタン東部地震の震源地周辺、ナンガルハル州ジャララバードの様子アフガニスタン東部地震の震源地周辺、ナンガルハル州ジャララバードの様子

日本政府の対応と地震の詳細

林芳正官房長官は9月1日の記者会見で、現時点において、今回のアフガニスタン地震に関連する邦人被害の情報には接しておらず、引き続き在留邦人の安全確保に全力を尽くす考えを表明しました。震源はナンガルハル州の州都ジャララバードの東方27キロ地点で、震源の深さは8キロと比較的浅いとされています。この地域はパキスタンとの国境に非常に近く、パキスタン国内でも揺れが観測されました。

ナンガルハル州ジャララバードの空港で、地震の負傷者を救急車へ搬送する人々ナンガルハル州ジャララバードの空港で、地震の負傷者を救急車へ搬送する人々

過去のM6.3地震との類似性

アフガニスタンでは、2023年10月にも西部ヘラート州でM6.3の地震が相次いで発生し、その際には1400人以上が死亡するという甚大な被害に見舞われました。今回のM6.0地震も、その時と同様に多数の犠牲者を出しており、同国が地震に対して脆弱な地質構造を持つことを改めて浮き彫りにしています。度重なる自然災害が、アフガニスタンにおける人道支援の必要性をさらに高めています。

地震で被害を受けたアフガニスタン・クナール州での兵士による救助活動地震で被害を受けたアフガニスタン・クナール州での兵士による救助活動

結論

アフガニスタン東部で発生したM6.0の地震は、タリバン暫定政権が発表したところによると、既に800人を超える死者と2800人以上の負傷者を出しており、その影響は甚大です。特に山岳地帯の脆弱な住環境が被害を拡大させた要因とみられ、救助活動は困難を極めています。日本政府は邦人の安全確認に努めるとしており、国際社会からの迅速な支援が被災地の復旧と人々の生活再建に不可欠となります。被災地での救援活動の進捗と、今後の状況が注視されます。

参照元

  • 米地質調査所 (USGS)
  • タリバン暫定政権報道官発表
  • 共同通信
  • ロイター通信
  • AP通信