ロシアと中国、「前例ない高水準」の関係を宣言:プーチン大統領が習主席と会談

【天津、北京】ロシアのプーチン大統領は2日、中国に到着後初めてとなる習近平国家主席との公式会談を行い、両国関係が「前例のないほど高いレベルにある」と称賛しました。この会談は、プーチン大統領がウクライナ戦争終結を求める西側諸国からの圧力を一蹴する一方で、習主席が中国を世界のガバナンスにおける新たなリーダーとして位置づける中で開催されました。この状況は、トランプ米大統領の外交政策が世界情勢に影響を与える中で進行しています。

ロシア・中国の「新時代」戦略的連携

北京の人民大会堂で行われた今回のロシアと中国の首脳会談は、両国の指導者の結束を強く示す新たな事例となりました。プーチン大統領は、第二次世界大戦中のソ連と中国の関係を振り返り、「戦友愛、信頼、相互支援、そして共通利益を守るための確固たる姿勢の記憶」を「新時代」における両国の戦略的連携の基盤として評価しました。会談冒頭、プーチン大統領は習主席に対し、「当時も我々は常に共にいたし、今も共にいる」と述べ、歴史的な結びつきを強調しました。

天津での上海協力機構首脳会議で会談するロシアのプーチン大統領(左)と中国の習近平国家主席。両国関係の「前例なき高水準」を強調。天津での上海協力機構首脳会議で会談するロシアのプーチン大統領(左)と中国の習近平国家主席。両国関係の「前例なき高水準」を強調。

これに応じ、習主席は中ロ関係が「変化する国際情勢の試練に耐えてきた」との認識を表明し、プーチン大統領を「古くからの友人」と呼びました。さらに習主席は、「中国はロシアと協力して、互いの発展と活性化を支援し、国際的な公平性と正義を堅持し、公正で合理的な世界統治システムを構築する用意がある」と述べ、国際秩序における両国の共通の目標を明確にしました。

緊密な関係と長期訪問の背景

習主席とプーチン大統領の緊密な関係は、9月1日に閉幕した中国の港湾都市天津での2日間にわたる首脳会談全体を通じて顕著に示されました。特に8月31日夜の晩餐会では、習主席がプーチン大統領を温かく迎え、表情豊かに会話する姿が目撃されました。今回のプーチン大統領の中国訪問は、2022年のロシアによるウクライナ全面侵攻以来、ロシア首脳が単一国に対して行う最長の訪問となります。これは、ウクライナ戦争が続く中で、ロシアが国際的な孤立を深める中での、中国との戦略的パートナーシップの重要性を物語っています。

周辺国との連携強化と今後の動向

2日には、習主席とプーチン大統領の会談に先立ち、モンゴルのフレルスフ大統領を交えた三国間協議も開催されました。この会談でプーチン大統領は、三国が政治的・経済的関係を発展させつつある「良き隣人」だとの認識を示し、地域における多角的な協力関係の構築に意欲を見せました。

さらに、プーチン大統領の中国訪問は、北朝鮮の金正恩総書記と同席する機会になる可能性も指摘されています。両氏は9月3日に北京で行われる大規模な軍事パレードに参加する外国要人の中で、招待客リストのトップに名を連ねていると報じられており、ロシア、中国、北朝鮮の連携強化の動きとして注目されています。

今回のプーチン大統領と習主席の会談は、ロシアと中国がこれまで以上に強固な関係を築き、国際情勢において新たな多極的な秩序を形成しようとしている姿勢を明確に示しました。両国が「前例のない高水準」の関係を宣言し、国際的な公平性と正義を追求すると表明したことは、今後の世界政治に大きな影響を与えることとなるでしょう。


参考文献: