秋田県消防署で「逆パワハラ」 部下による上司への嫌がらせ行為が発覚、停職処分に

秋田県の消防署で、部下から上司への「逆パワハラ」行為があったことが明らかになり、当該の部下が懲戒処分を受けました。ハラスメント窓口に相談したのは50代の男性消防隊員で、加害者は30代の部下隊員でした。この事件は、職場における上下関係の逆転したハラスメントが社会問題となっている中で、公務職場での事例として注目を集めています。

部下による悪質な嫌がらせ行為の詳細

被害に遭った50代の男性消防隊員は、「嫌がらせと撮影・拡散行為で迷惑している」と訴えました。具体的に行われた嫌がらせは多岐にわたります。まず、50代隊員がトイレの個室に入っている最中に、30代の部下隊員が個室の外からスマートフォンを向けて動画を撮影しました。この動画はその後、同僚らに送信され、拡散されたとのことです。

さらに、当直用の寝具にごみを散らかすという悪質な行為も行われました。これは単なるいたずらを超え、上司のプライベートな空間を侵害し、精神的苦痛を与えるものでした。加えて、被害者の容姿に関する暴言を繰り返すなど、言葉による精神的な攻撃も日常的に行われていたといいます。

秋田県消防署での逆パワハラのイメージ。当直用寝具に散らばったゴミと、問題の核心を示す象徴的な光景。秋田県消防署での逆パワハラのイメージ。当直用寝具に散らばったゴミと、問題の核心を示す象徴的な光景。

処分と部下隊員の反応

一連の嫌がらせ行為について、30代の部下隊員は当初、「体調を心配して行った」と説明し、動画撮影の意図を正当化しようとしました。しかし、最終的にはこれらの行為が嫌がらせであったことを認めました。この結果を受け、消防本部は1日付で、当該の30代男性消防隊員に対し、停職6カ月の懲戒処分を科しました。

処分後、部下隊員は「退職の意向はない」と述べ、引き続き職務に当たる意向を示しているとのことです。この事件は、職場環境におけるハラスメント問題の深刻さ、特に「逆パワハラ」という形で発生し得る多様な側面を浮き彫りにしています。公務の職務において、このようなハラスメント行為が繰り返されないよう、組織全体の意識改革と再発防止策が求められます。

参考文献