日本の南の海上では「台風のたまご」と呼ばれる熱帯低気圧が発生しており、明日未明にも台風15号に変わる見込みです。この進路によっては、東海地方を含む本州広範囲に警報級大雨をもたらす恐れがあり、厳重な警戒が呼びかけられています。
この熱帯低気圧は、本日午後5時前の時点で南大東島の南南東に位置しています。明日にかけて九州の南まで北上した後、東寄りに進路を変え、明後日金曜日には東海3県を直撃するともいえる経路が予測されています。予報円に台風の中心が入る確率は70%と高く、東海地方への接近はかなり確実視されています。明日未明に台風が発生すれば、日本に非常に近い場所での異例の発生となります。このようなケースはこれまで多くありませんでしたが、今年は台風12号も同様に日本近海で発生しており、増加傾向にあるといえるでしょう。
日本近海の海面水温が台風発生に影響
近年、日本付近で台風が発生しやすくなっている背景には、海面水温の高さが挙げられます。台風は一般的に27℃以上の海面水温で発生・発達しやすいとされています。
本日の午後3時時点のデータによると、日本海側では東北北部付近まで、太平洋側では関東から東北の境目付近まで、海面水温が27℃に達しています。これは、台風が発生し得るほど海が温かい状態が、例年よりも広範囲に及んでいることを示しています。これまで日本近海の海面水温はもっと低かったのですが、今年はこの状況が常態化しているのです。
台風12号の事例から学ぶ影響
先月発生した台風12号も、日本に近い位置で発達しました。当初は熱帯低気圧として日本の南海上を北上していましたが、上空にあった冷たい空気の低気圧から離れると、高い海面水温の影響を受け、一気に台風へと発達しました。
台風15号発生前の熱帯低気圧の進路予測図と東海地方への警報級大雨の恐れ
台風12号は上陸時の中心気圧が998ヘクトパスカルと、勢力としてはそれほど発達したものではありませんでしたが、それでも広範囲で強い雨と風をもたらしました。例えば、先月21日に12号が上陸した鹿児島県では、傘が差しにくいほどの風が吹き荒れ、猛烈な雨が観測されました。いちき串木野市付近では1時間雨量が約120ミリに達し、「記録的短時間大雨情報」が発表されています。また、枕崎市では24時間で最大229ミリの降水量を記録し、平年の8月1ヶ月分の雨量を超えるなど、各地で大雨による被害が出ました。
今後発生が予想される台風15号も、日本近海で発達する可能性が高く、過去の事例から見ても、勢力以上の影響をもたらす恐れがあります。最新の台風情報に注意し、早めの対策を講じることが重要です。
参考文献
- CBCテレビ: Yahoo!ニュース (参照元記事)