2024年9月2日、歌手で女優の酒井法子が自身のインスタグラムを更新し、リーガロイヤルホテル大阪で開催されるクリスマスディナーショーのポスタービジュアルを公開した。華やかな告知にもかかわらず、その衣装がSNS上で大きな波紋を呼び、ファンを中心に賛否両論が巻き起こっている。
「碧いうさぎ」彷彿とさせる衣装が物議
公開されたポスタービジュアルの酒井法子は、青や紫のフリルを大胆にあしらった衣装を着用し、ラメ入りの「うさ耳」を付けていた。お腹や太ももを露出したその姿は、ショーのタイトル「BluRabb」から察するに、1995年の大ヒット曲「碧いうさぎ」を意識したコスチュームと見られる。顔がアップになった別のポスターでは、肩のピンクのフリルや紫の手袋が強調され、若者に人気の「推しの子」を連想させるようなポップな色彩感覚も垣間見えたと芸能関係者は指摘する。
酒井法子、クリスマスディナーショー「BluRabb」の告知ポスター。青いフリルとラメ付きうさ耳で挑発的な衣装を纏う。
「碧いうさぎ」は、酒井法子が聴覚障害を持つ少女を演じた人気ドラマ『星の金貨』(日本テレビ系)の主題歌として社会現象を巻き起こし、ミリオンセラーを記録した楽曲だ。この曲をきっかけに酒井は紅白歌合戦に初出場を果たし、「純粋で儚げな存在感」という国民的イメージを確立した。当時の彼女を知るファンにとって、今回の挑発的な衣装は、その記憶の中の「のりピー」とは大きくかけ離れたものとして映っているようだ。
清純派からの転換、そして再起の道
酒井法子といえば、2009年に覚醒剤取締法違反で逮捕され、有罪判決を受けた過去がある。公判では「芸能界を引退して介護の仕事に就きたい」と語り、翌年には通信制大学に進学したが、最終的には芸能活動を再開する道を選んだ。
復帰後は、活動の拠点を日本から中国、香港、台湾といったアジア各地に移し、定期的にコンサートを開催して大成功を収めてきた。2021年には個人事務所を設立し、以降は国内での活動にも力を入れ始めている。映画の公開やデビュー35周年を記念したベストアルバムの発売など、再び日本の表舞台での活躍も目立つようになった矢先の今回のディナーショー告知であった。
ファンが抱く「あの頃のイメージ」との乖離
本人は今回の大阪でのディナーショーについて、《久々の大阪です!楽しみすぎまぁす》と意気込みをインスタグラムに投稿した。しかし、ネット上では「そういう方向性は求めてない」「碧いうさぎってもっと淋しそうで繊細なイメージがあるけど……」といった戸惑いの声や、「テンション高いのりピー見ると心配になるな」「年相応の落ち着いた衣装にしたらいいのに」「介護はどうした」といった、過去のスキャンダルや公判での発言に言及する厳しい意見も多く見られた。
かつて「純粋で儚げな存在感」で国民的人気を博した酒井法子。彼女が築き上げてきた当時のイメージは、本人が変化を遂げようとも、ファンの心の中では今なお大切に守られているのかもしれない。今回の衣装を巡る騒動は、アーティストが自らの表現を追求する中で、ファンが抱く「理想の姿」との間で生じる普遍的なギャップを浮き彫りにしていると言えるだろう。
出典:Yahoo!ニュース