自民党内で石破茂首相に対する「石破おろし」の動きが激化し、8日の意向確認期限を目前に攻防は最終局面を迎えています。現職閣僚からも総裁選挙の早期実施を求める声が上がり始めた中、事態の鍵を握るのは小泉進次郎農水大臣の動向であると見られています。
閣僚からも噴出する「早期総裁選」の声
進退をかけた重大な局面にある石破茂首相は、「困っている方々、本当に苦しんでいる方々を支援するための対応が必要である」と述べ、5日午後に現金給付策を盛り込んだ経済対策の策定を表明し、改めて続投への強い意欲を示しました。
このような状況の中、ついに石破内閣の現職閣僚が総裁選挙の前倒し実施を求める意向を表明しました。自民党麻生派に所属する鈴木馨祐法務大臣です。鈴木法務大臣は公式ブログで、「臨時総裁選挙の実施を求める書面に署名し、提出することといたしました。自民党への信頼回復のためにも、党が一致結束してゼロから出直すことが必要です」と述べました。これにより、高村正大副大臣、神田潤一政務官と合わせ、法務省の政務三役全員が総裁選前倒しを求めることになりました。石破内閣に身を置く副大臣や政務官からは、少なくとも20人が前倒しに賛成の意向を示しており、8日に迫る総裁選前倒しの意向確認に向けて、その動向が注目されています。
総裁選前倒し論が高まる中、続投への強い意欲を示す石破茂首相
「解党的出直し」が意味するもの:小泉進次郎氏の慎重な発言
こうした中、注目が集まるのが小泉進次郎農水大臣の動向です。小泉農水大臣は、「一番今の局面で大切にしたいと思うことは、とにかく党内一致結束することだと思っています。一番大事な党内の一致結束につながる環境をつくらなければならない。その思いを大切に判断していきたいと思います」と述べ、閣内から上がる総裁選前倒し論に対し、慎重ながらも一定の理解を示しました。
大敗を喫した参議院選挙の総括報告書が「解党的出直しが必要」と結論付けたことに対し、小泉農水大臣は3日に「解党的出直し。この言葉は非常に重い。その通りの行動をしなければいけない」と発言。さらに4日には「そのまま解党的出直しという言葉を受け止めれば、やはりゼロからやり直す」と踏み込みました。5日に総裁選前倒しを求める意向を表明した鈴木法務大臣も、「ゼロから出直すことが必要」と主張しており、小泉大臣の「解党的出直し」や「ゼロからやり直す」という発言が、彼もまた前倒しを求める意向ではないかという憶測を広げています。小泉大臣は現在、態度を明らかにしていませんが、その言葉の重みに様々な解釈が生まれています。
少数与党の苦境と「維新」との接近
さらに、小泉大臣の周辺では別の憶測も広がっています。小泉大臣は先月、大阪・関西万博を日本維新の会代表である吉村大阪府知事と一緒に視察しました。この際、日本維新の会の吉村代表は先月21日に、「僕から見ても小泉大臣は自民党の中でも改革派であり、個人的にも仲が良いので信頼しています」と発言。自民党が少数与党として苦境にあえぐ中、小泉大臣と吉村知事の親密ぶりが、今後の政局における新たな連携の可能性を示唆しているのではないかとの憶測を呼んでいます。
結論
石破内閣の命運を分ける総裁選前倒しを巡る攻防は、8日の期限に向けて緊迫の度合いを増しています。現職閣僚や副大臣、政務官からの退陣要求が相次ぐ中、小泉進次郎農水大臣の「党内一致結束」や「解党的出直し」を求める発言は、その後の政治動向に大きな影響を与える可能性を秘めています。自民党の信頼回復と今後の政権運営の行方を占う上で、小泉大臣の最終的な決断、そして党内の勢力図の変化から目が離せません。
参考文献
- Yahoo!ニュース. (2025年9月5日). 石破おろし最終局面へ 進次郎氏カギ?最新情勢は. https://news.yahoo.co.jp/articles/206189e405e7b27868363ceede3b28f5cfcd44c2