鳩山二郎副大臣、選挙資金12万円の「返金忘れ」で裏金疑惑? 事務所のずさんな管理体制に批判の声

鳩山二郎内閣府副大臣(福岡6区)に、2021年の衆議院議員総選挙における選挙資金の不適切な管理をめぐり、「裏金疑惑」が浮上しています。名門・鳩山家の4世議員であり、ブリヂストン創業家一族の御曹司としても知られる鳩山氏ですが、今回の疑惑は、その華麗な経歴に影を落とす事態となっています。

選挙事務員への報酬をめぐる不可解な会計処理

鳩山氏は、父の代から選挙戦において多数の運動員を動員する戦略で知られています。公職選挙法では、選挙運動員への報酬は原則として禁止されていますが、ウグイス嬢や選挙事務員には規定の報酬を支払うことが認められています。ただし、選挙事務員は事務作業のみを行い、選挙運動を行うことはできません。

2021年衆議院議員総選挙における鳩山氏の選挙運動費用収支報告書には、20人のスタッフへの報酬が記載されており、その中に地元の小郡市議・大場美紀氏(無所属)への「事務員報酬」として12万円が支払われたと記録されています。しかし、大場氏本人は、この12万円を受け取った後、すぐに返金したと主張しています。

鳩山二郎氏鳩山二郎氏

大場氏によると、選挙後の慌ただしい時期に12万円を現金で手渡され、その場でサインを求められた書類が領収書であったことに後で気づいたとのことです。他のボランティアスタッフが無報酬で活動している中で、自身だけ報酬を受け取ることはできないと考え、すぐに返金したと証言しています。

鳩山事務所の釈明と専門家の見解

返金された12万円が鳩山氏の選挙運動費用収支報告書に記載されたままになっていることから、鳩山氏側に「裏金」が生じた可能性が指摘されています。政治資金問題に詳しい上脇博之・神戸学院大学教授は、この件について公職選挙法違反の可能性を指摘し、民主主義の根幹を揺るがす問題であると警鐘を鳴らしています。

鳩山事務所は、大場氏からの返金の事実を認めています。担当秘書は、返金を受け取ったスタッフが秘書に報告するのを忘れ、秘書も報告を受けた後、処理を忘れていたと説明しています。国会議員会館のロッカーから3年近く経って、現金12万円が入った封筒が見つかったというのです。

鳩山由紀夫氏鳩山由紀夫氏

このずさんな管理体制には、批判の声が上がっています。公職選挙法では、選挙運動費用収支報告書の訂正は3年間と定められており、既に訂正期限が過ぎているため、今回の件は事実上、うやむやになる可能性が高いです。

政治資金の透明性確保の重要性

今回の件は、政治資金の透明性確保の重要性を改めて浮き彫りにしました。国民の信頼を損なわないためにも、政治家にはより一層の責任ある行動が求められます。 鳩山氏には、今回の件について真摯に説明責任を果たし、再発防止策を講じる必要があるでしょう。