【アメリカを読む】「バーニーズ」「ラルフローレン」 閉店相次ぐNY5番街 空き店舗でクリスマスムード演出






 世界有数の商業地、米ニューヨークの5番街で今年、店舗の撤退が相次いだ。小売業界は、アマゾン・コムをはじめとするオンラインショッピングの隆盛や商業不動産の賃料の高騰により店舗数が縮小する流れにある。1年で最も町が華やぐクリスマスシーズンに突入し、問題となったのは5番街の「空き店舗」対策だ。地元の団体は、空き店舗のショーウインドーを飾るプロジェクトを行い、ニューヨーク中心部の輝きを演出している。(ニューヨーク 上塚真由)

 立ち並ぶ高級ブランド店がショーウインドーの飾りに工夫を凝らし、一段と華やかになるクリスマスシーズンの5番街。今冬は老舗高級百貨店「サックス・フィフス・アベニュー」がディズニーの話題の新作映画「アナと雪の女王2」と協力し、ショーウインドーにアナやエルサが登場。休日などには写真に収めようと大勢の見物客が訪れ、人の山で身動きが取れないほどの混雑ぶりとなっている。

 5番街近くのロックフェラーセンターにある巨大クリスマスツリーを訪れる人の数は毎日約75万人と推計され、ニューヨークの観光人気は高まる一方だ。

 だが、華やかな町並みに影を落とすのは増え続ける空き店舗。“アマゾン効果”によって小売業界は不振に陥り、5番街でも有名ブランドや高級百貨店の旗艦店の撤退が相次いでいる。

 2017年4月に米国を代表するブランド「ラルフローレン」の店舗が閉店。19年には、老舗高級百貨店「ヘンリベンデル」と「ロード&テイラー」が旗艦店を閉じ、米ブランドの「ギャップ」「トミーヒルフィガー」、スペインブランドの「マッシモドゥッティ」なども閉店した。

 5番街に隣接するマディソン街の高級百貨店「バーニーズ・ニューヨーク」も今年、賃料高騰に耐えきれず経営破綻し、資産を売却。現在は閉店セールのまっただ中だ。

 また、トランプ米大統領の自宅がある「トランプタワー」に関し、トランプ氏が11月、「主な居住地」を別荘があるフロリダ州に移すと発表。5番街では「撤退」「移転」の話題に事欠かない。

 5番街の近くで働く女性(49)は、「2008年の金融危機の後には、5番街の周辺の通りでブランド店の撤退が続いた。ついに一等地の5番街でも旗艦店が閉店してしまうのか…とショックだ」と語った。

続きを読む



Source link