加藤ローサの離婚が問いかける「できちゃった婚」の現実:親世代が抱く不安と専門家の見解

離婚発表がイメージアップにつながるという異例の反響を呼んだタレントの加藤ローサ。元サッカー日本代表の松井大輔氏との離婚は、世間から同情以上に前向きなコメントを集める一方で、ある「親目線」からは、今回の件が異なる不安を掻き立てている。特に「できちゃった婚(以下、デキ婚)」の行く末に心配を抱く人々にとって、このニュースは自身の経験と重なり、懸念材料となっているようだ。

離婚を発表した加藤ローサ離婚を発表した加藤ローサ

「できちゃった婚」への親世代の懸念

数多くの家族問題の相談に対応してきた東京家族ラボの池内ひろ美氏のもとを訪れた50代の女性は、開口一番、加藤ローサの離婚について「あれは、やはり『できちゃった婚』だったからではないでしょうか。すごく心配です」と息せき切って語った。上品な身なりで来所したこの女性は、加藤ローサの結婚プロセスにも詳しく、独身時代に松井大輔氏の子を妊娠し、当初は一人で育てるつもりだったものの、度重なるプロポーズを受けて結婚に至った経緯を諳んじた。彼女の心配の核心は、まさに「デキ婚は失敗するのではないか」という点にあった。

この母親が芸能人の「デキ婚」に敏感になっている背景には、昨年37歳になる一人娘が「デキ婚」をしたという自身の経験がある。派手な同世代の男性と、交際関係がはっきりしないまま妊娠し、出産・結婚を決意。結婚式も挙げず、母親所有のマンションで新婚生活を送る娘夫婦を見守る中で、漠然とした不安を抱えているという。家賃の心配もなく、孫が健やかに育っているにもかかわらず、彼女の心には「デキ婚」に対する根強い不安が拭えないのだ。

結婚10周年記念の指輪を見せる加藤ローサ。デキ婚と結婚生活における葛藤を象徴する表情。結婚10周年記念の指輪を見せる加藤ローサ。デキ婚と結婚生活における葛藤を象徴する表情。

専門家が語る「デキ婚」が壊れやすい背景とは

「デキ婚は壊れやすい」。相談者の女性は、かつて池内氏が雑誌のインタビュー記事で語ったこの言葉を引用し、自身の不安を裏付ける根拠として提示した。たしかに、池内氏自身も「デキ婚」が持つ潜在的な危険性について言及してきた経験があるという。しかし、それは決して「デキ婚」が必ずしも離婚の道へ進むという断定的な意味ではない。

池内氏は、この母親を安心させるためには、「なぜデキ婚が壊れやすいと言われるのか」という背景を丁寧に説明する必要があると考える。妊娠という大きな出来事が先行することで、結婚に至るまでのカップルの意思決定プロセスや、夫婦として関係を築く上での課題が、通常の結婚とは異なる形で現れることがあるからだ。家族問題の専門家として、池内氏は、デキ婚が持つ特有の脆弱性を明らかにし、それが必ずしも悲観的な未来を意味するわけではないことを示唆するだろう。

まとめ

加藤ローサの離婚は、世間一般には前向きに受け止められているものの、「デキ婚」経験のある家庭を持つ親世代にとっては、自身の子供たちの将来への不安を再燃させるきっかけとなった。池内ひろ美氏の言葉が示唆するように、「デキ婚」には一般的な結婚とは異なる課題が存在する可能性がある。しかし、その背景を理解し、適切なサポートやコミュニケーションを通じて乗り越えることで、安定した夫婦関係や家庭を築く道は十分に開かれていると言えるだろう。

参考資料

  • デイリー新潮 (Yahoo!ニュース掲載記事)
  • 東京家族ラボ 池内ひろ美氏の著作・発言 (言及された雑誌インタビュー記事など)