ラグビー・ワールドカップ(W杯)の日本大会期間中に、テレビ放送システムを狙ったサイバー攻撃が相次いだことが16日、大会組織委員会への取材で分かった。政府関係者は「来年の東京五輪・パラリンピックのテレビ中継を妨害する準備が行われている」と警戒を強めている。
組織委によると、サイバー攻撃はシステムに大量のデータを送りつけて機能を停止させる「DDoS(ディードス)攻撃」。大会期間中に12回あり、主に放送局が使う組織委のシステムが狙われたが、実害はなかった。
攻撃の多くに日本国内の機器が使われたが、実際の攻撃元は判明していない。ラグビーW杯を巡るサイバー攻撃では他に、偽メールを送って大会職員のパスワードを盗もうとする「フィッシング」や、大会職員が海外サイトを閲覧してウイルス感染する被害もあった。