国分太一が人権救済申立:中居正広との「決定的違い」と芸能界コンプライアンスの波紋

10月23日、タレントの国分太一氏(51)が、自身が「コンプライアンス違反」を理由に不適切な手続きで番組を降板させられたとして、日本弁護士連合会に人権救済を申し立てたことが明らかになりました。この動きは、日本の芸能界におけるコンプライアンス遵守と情報開示のあり方に一石を投じるものです。特に、昨年発生した中居正広氏(53)の性的トラブルと比較されることも多く、両者の間に見られる「決定的な違い」が注目されています。

国分氏のケースは、その不透明性が大きな問題となっています。日本テレビは6月20日、「コンプライアンス上の問題行為があった」として、人気番組『ザ!鉄腕!DASH!!』からの国分氏の降板を突如発表。同社の福田博之社長は会見で、問題行為の詳細は「プライバシー保護」を理由に一切明かしませんでした。これを受け、国分氏は無期限の活動休止に入り、数日後にはTOKIOも解散。日本テレビ以外の民放各局も国分氏の出演する全番組の放送休止を次々と決断し、10月には、休止前に出演していたレギュラー番組がすべて終了するという事態に至りました。

今回の申立書によると、国分氏は6月18日、日本テレビに呼び出され、何の準備もないままに事情聴取を受け、事実関係を認めたとされています。その後、関係者の特定につながるような言動をしないことを求められ、番組の降板を告げられました。国分氏は、何がコンプライアンス違反と認定されたのか伝えられなかった上、具体的な説明や謝罪もできない状況に置かれ、これがTOKIOの解散や他番組の降板、スポンサーとの契約解除につながったと主張しています。自身が何をしたのか知らされない状況は、公衆からも「誰に何を謝罪すればいいのか」「気の毒だ」といった同情の声が上がっています。

国分太一と中居正広、それぞれのスキャンダルに直面するタレントたちの表情国分太一と中居正広、それぞれのスキャンダルに直面するタレントたちの表情

中居正広氏の性的トラブルと反論の経緯

国分氏の状況は、昨年大きな話題となった中居正広氏の性的トラブルを想起させます。昨年12月、「女性セブン」と「週刊文春」が中居氏が2023年6月に被害女性トラブルを起こしていたことを報じ、たちまち中居氏の出演番組は次々と出演取りやめや放送休止の措置が取られました。その後、1月23日に中居氏は芸能界引退を発表し、3月31日にはフジテレビが設置した第三者委員会が調査報告書を公表。WHO(世界保健機関)の定義に基づき、被害女性に対する中居氏の「業務の延長線上の性暴力」を認定しました。

その後、しばらく沈黙を貫いていた中居氏でしたが、5月12日に代理人弁護士が「『性暴力』という日本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されなかった」と反論を開始。中居氏サイドは7月までに第三者委員会に対して合計5回の“クレーム”を寄せています。第三者委員会はトラブル当日の詳細は公表しておらず、当人らも守秘義務のため口外していないため、これまでは何らかの性的トラブルとしか判明していませんでした。

しかし、8⽉に「週刊⽂春」が、被害女性が中居氏サイドに送った通知書をもとに、関係者や被害女性の知人への取材を通じて、トラブル当日の内容を再現する記事を公開しました。これに対し、中居氏の弁護団はすぐに記事の内容について「当職らの認識とは大きく異なるもの」と反論し、トラブルについても「不同意によるものではなかったものと、当職らは評価しています」と不服を申し立てる声明を発表。一方、被害女性の代理人弁護士も中居氏サイドの言い分に対して、「本事案について『不同意によるものではなかった』と中居氏代理人らが本文書中で言及したことの方が守秘義務違反に当たるのではないかと考えます」と反論し、双方の主張が真っ向から対立しています。

国分太一と中居正広:両者を分かつ「決定的な違い」

状況は似ているように見える国分氏と中居氏ですが、両者の間には「決定的な違い」が存在します。それは、第三者委員会の報告書において、中居氏が被害女性を自宅に招く際に用いた「卑劣な手口」の存在が明確に認定されている点です。

報告書によると、中居氏は当初、被害女性を食事に誘い、「はい。メンバーの声かけてます」などと、飲食店で複数人と食事をすると思わせる内容で誘っていました。その後、中居氏が「メンバーが見つからなかったが食事をしたい」という旨のメールを送り、局が起用する大物タレントという立場を利用して、女性は断れずに中居氏の自宅に行ったとされています。第三者委員会のヒアリングで、中居氏本人が実際には店も探しておらず、誰にも声をかけていなかったことを認めています。つまり、最初から2人きりになるように仕組んだ故意的な行動が性的なトラブルにつながったことが明確なのです。

中居正広氏の最新の近影、メディアの注目を集める彼の現在の様子中居正広氏の最新の近影、メディアの注目を集める彼の現在の様子

この「故意的な欺瞞行為」の有無が、両者のケースを決定的に分けています。国分氏のケースでは、コンプライアンス違反の内容自体が公にされていないため、その行為の性質や悪質性を客観的に評価することができません。しかし、中居氏のケースでは、具体的な「手口」が明確にされ、本人がそれを認めているという事実が、問題の根深さを示す上で重要な要素となっています。

反撃開始からまもなく半年を迎える中居氏ですが、復帰や名誉回復の目処は立っていません。一方、自身の行為の詳細を知らされずに活動を奪われた国分氏の今後の行方も、芸能界のコンプライアンス、透明性、そして公正な手続きのあり方を問う上で、引き続き大きな注目を集めることでしょう。


参照元:

  • Yahoo!ニュース / 女性自身