面接で「尊敬する人は?」と聞かれたら?内定に繋がる回答術

就職活動や転職の面接で頻繁に問われる「尊敬する人は誰ですか?」という質問。皆さんはどのように答えるでしょうか。この質問に即座に、そして効果的に答えるのは難しいと感じる方も少なくないでしょう。『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』の著者であり、「就活マン」として知られる藤井氏は、特別な経歴がなくても1000冊以上の本から独自の就活メソッドを構築し、食品大手を含む22社から内定を獲得した経験を持つ人物です。本記事では、藤井氏が就活生向けに特別に書き下ろした、この質問に対する内定を勝ち取るための回答術をご紹介します。重要なのは「誰を尊敬するか」ではなく、「なぜ尊敬するのか」という理由の部分なのです。

尊敬する人が「思いつかない」場合の対処法

「尊敬する人は誰ですか?」と聞かれても、すぐに具体的な人物が思い浮かばないという方は少なくありません。藤井氏自身も高校時代は帰宅部で、スポーツ選手や著名人に興味がなく、尊敬する人が思いつかなかった一人でした。面接官も知っているような有名な人物でなくても、焦る必要はありません。大切なのは、特定の分野で活躍する著名人であるかどうかではなく、自分が「すごいな」と少しでも思える人を選ぶことです。

なぜ「誰を」ではなく「なぜ」が重要なのか

面接官がこの質問をする真の意図は、候補者の価値観や考え方、行動原理を知ることにあります。「誰を尊敬するか」という表面的な情報よりも、「なぜその人を尊敬するのか」という理由を深く掘り下げて語ることで、あなた自身の人間性や潜在的な能力をアピールできるのです。藤井氏は、大学も中堅で実績や資格がなくても「考えの深さ」で勝負すべきだと語ります。そのためには、「なぜ?なぜ?なぜ?」と徹底的に自問自答し、深掘りする作業が不可欠です。

藤井氏の場合、小学4年生の時に離婚後、ヘルニアを抱えながらも夜遅くまで懸命に働き、自身と弟を支え続けた母親の姿が思い浮かんだといいます。他の友人の母親が優雅に過ごす中で、自分の母親が必死に働く姿を見て、「すごい」と感じ、それが尊敬の念に繋がったのです。こうした個人的な体験に基づく具体的な理由は、面接官に強い印象を与えます。

「尊敬する人」について考える就活生のイメージ「尊敬する人」について考える就活生のイメージ

面接官を惹きつける「深掘り」回答の秘訣

では、具体的にどのように深掘りすれば、面接官を惹きつける回答になるのでしょうか。浅い回答と深い回答を比較してみましょう。

浅い回答例:
「私が尊敬するのは母親です。なぜなら小学生の頃に離婚してからずっと仕事をしているからです。」
この回答では、面接官は「なるほど」とは思うものの、それ以上の印象は残りません。あなたの考えや価値観が十分に伝わらないため、個性が埋もれてしまう可能性があります。

深い回答例:
「私が尊敬する人は母親です。なぜ母を尊敬するのかと言うと、『やり抜くこと』を教えてくれた身近な人だからです。母は小学生の頃に離婚し、少ない養育費を補うために何社も職を転々としつつも、私と弟を最後まで育てきってくれました。育てると決めたら、そこから妥協せず、やり抜く。それを背中で教えてくれた人物です。」
この回答では、尊敬する対象は同じ母親であっても、その「なぜ」を具体的に深掘りすることで、あなたが「やり抜くことを大切にしている」人間であるという価値観が明確に伝わります。面接官は「この人は仕事でも困難を乗り越え、目標をやり抜いてくれそうだ」と好意的な印象を抱くでしょう。

このように、少しの「コツ」を押さえるだけで、面接での評価は大きく変わります。就職活動は、こうした戦略的なアプローチによって、面倒なものから「意外と面白い」ものへと意識を変えることができるのです。

結び

「尊敬する人は誰ですか?」という質問は、あなたの人間性を深く知るための重要な機会です。有名人である必要はなく、身近な人でも構いません。大切なのは、その人に対する尊敬の念を「なぜ」という視点で掘り下げ、あなた自身の価値観や強みに結びつけて語ることです。この小さな工夫が、内定への大きな一歩となるでしょう。藤井氏の著書『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』には、こうした具体的な就活戦略が満載されており、あなたの就職活動を力強くサポートしてくれるはずです。心より皆さんの就職活動を応援しています。