2025年6月3日、惜しくも亡くなった巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さん(89歳没)。入団1年めで長嶋さんの指導を受けた野球評論家の上原浩治が明かす、“わたしだけのエピソード” とは――。
【画像あり】上原浩治は入団1年め、15連勝を含む20勝を挙げたのだが…
「プロに入って初めての監督が長嶋さんだったのは、すごく光栄なことでした。第一印象は、『デッカい人』ですね。
小学生で野球を始め、多くの監督さんから指導を受けましたが、そのどなたとも違った感じでした。長嶋さんは明るく振る舞っていたけど、ベンチのなかでは案外、マイナス思考の方だったと思いますね。
入団1年め、松井秀喜さんとヤクルトのペタジーニが本塁打王争いをしていました。直接対決のときに、松井さんは敬遠気味に歩かされ続け、僕にもペタジーニへの敬遠指令が出たんです。勝負できない悔しさから、感情にまかせてマウンドを蹴飛ばしてしまったことを、いまでも後悔しています。
1年めから活躍できたわけですが、なぜか名前を呼ばれるときは、ドラフト同期の『ニオカ!』なんです。何回も『上原です』と訂正したんですが、シーズン中、変わることはありませんでした。2年めからは『上原』になりましたけどね(笑)。
引退後にお会いすると、いつも『元気か?』と言ってくださることが嬉しかったですね」
週刊FLASH 2025年12月16日号






