神戸市議の上畠寛弘氏(38)が、3000万円を超える政治資金の使途が不明であるとして、先頃、国会で厳しく追及されました。自らを「高市応援団」と称し、過去には「別人級のイメチェン」を公表するなど異色の経歴を持つ上畠氏に対し、その政治資金の透明性について疑念が深まっています。この巨額な支出の背後にある実態と、それが国民に与える影響が注目されています。
上畠氏の弁明と異色の政治活動
上畠氏は記者からの直撃に対し、「法律に違反しているということは全くありません」と疑惑を全面否定しました。さらに、「私の政治活動や政策は市議会議員レベルじゃないんです。例えば、外国人の生活保護受給問題への追及は私が“元祖”だと皆が知っている」と熱弁を振るい、自身の政治的実績を強調しています。
日本マクドナルド社員などを経て、2017年に29歳で神戸市議に最年少当選した上畠氏は、現在3期目を務めています。自民党神戸市議団の幹事・広報職を兼任する傍ら、高市早苗氏を「一番共感できる」として熱心に応援する地方議員としても知られています。
高市早苗氏と上畠寛弘神戸市議。上畠氏のX(旧Twitter)からの画像。
国会で焦点となった政治資金収支報告書
上畠氏に対する政治資金疑惑は、2024年11月25日の参議院総務委員会で公明党の宮崎勝議員(67)によって取り上げられました。宮崎議員は、上畠氏が代表を務める自民党支部の収支報告書を俎上に載せ、「3300万円余りの支出のうち、何に使ったか分かるのは8万円だけ。残りは何に使ったか分からない」と指摘しました。この問題に対し、林芳正総務大臣(64)は「これで本当に国民の納得を得られるのか」と詰問される事態となりました。
実際に報告書を確認すると、2023年の組織活動費約3370万円に対し、内訳が記載されたのは郵送費8万703円のみ。また、2024年も同約3090万円の組織活動費に対して、記載されたのは名刺印刷代と航空運賃の計24万1647円に過ぎず、残る3060万円余りが「使途不明」となっていました。
「5万円未満」の壁と疑惑の根深さ
自民党関係者によると、政治資金規正法では「5万円未満の支出に関して、明細の記載も領収書の添付も不要」と定められています。上畠氏も、未記載分はすべて「5万円未満の支出である」と主張しているため、宮崎議員も委員会では実名を伏せる形で質問しました。
しかし、政治資金規正法に抵触しないとはいえ、これほどまでに巨額な支出の内訳が不明な状況は、国民の間に不正使用への強い疑念を生んでいます。法的な抜け穴を利用した形であっても、政治資金の透明性に対する社会的な要請は高まっており、上畠氏の弁明だけでは国民の納得を得ることは難しい現状です。
参考文献
- Yahoo!ニュース. (2025年12月22日). 神戸市議・上畠寛弘氏、3000万円超の政治資金「使途不明」疑惑で国会追及.





