上院弾劾裁判 過去に18回 トランプ氏





トランプ大統領(ロイター)

 トランプ米大統領がウクライナ疑惑をめぐり弾劾訴追され、年明けから上院で弾劾裁判が始まる。米国での弾劾裁判は18世紀以降、連邦判事らも含めると計18回開かれており、11人が職を追われるなどしている。

 合衆国憲法では、「大統領、副大統領および公職にあるすべての者」を弾劾訴追の対象として規定しており、裁判官なども含まれる。「反逆罪、収賄罪その他の重大な罪または軽罪」を犯した場合に弾劾訴追を受け、有罪となった場合には解職を認めている。

 米議会の上下両院によると、下院で弾劾訴追されたのは1798年のウィリアム・ブロウント上院議員以来、トランプ氏で20人目。大統領が3人、上院議員、最高裁判事、陸軍長官が各1人で、他は連邦地裁の判事ら14人となっている。過去に上院で弾劾裁判が開かれたのは裁判前に辞任した判事を除く18人で、7人が無罪とされている。

 大統領として最初に弾劾訴追された第17代アンドリュー・ジョンソン大統領は南北戦争直後の混乱期で、南部連盟諸州を合衆国に再編統合して再建する戦後処理策をめぐって議会の一部と対立。弾劾裁判では有罪の要件である「出席議員の3分の2」に1票及ばず辛くも有罪・罷免を免れた。

 2人目の第42代クリントン大統領は、ホワイトハウスの実習生だったモニカ・ルインスキーさんとの不倫スキャンダルを起こし、連邦大陪審への偽証疑惑などが問われた。大統領の不品行が罷免に相当するかをめぐり弾劾裁判で激しい論争となったが、疑惑を追及した共和党の議員が造反して無罪の評決を受けた。(ワシントン 住井亨介)



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