東京電力福島第1原発で増え続ける処理水の処分方法などを議論する政府小委員会の会合が23日開かれ、経済産業省は取りまとめ案として、国内外で処分実績のある海洋と大気への放出を軸に3通りの方法を示した。処分時期は「政府が責任を持って決定すべきだ」と求めた。委員からは風評被害対策の不足を指摘する意見などが出て、議論は継続になった。
小委はこれまで地層注入、水素放出、地下埋設も含め五つの方法を検討してきたが、議論が分散するなどして一つに絞り込むのは困難な情勢。東電は、第1原発敷地内の処理水保管タンクの容量が令和4年夏ごろに満杯になるとしている。
処分方法3案は▽希釈して海に流す海洋放出▽蒸発させる大気放出▽海洋放出と大気放出の併用。他の方法は新たな規制や技術開発が必要とし、「現実的な選択肢としては課題が多い」と指摘。長期保管については、タンク増設のための敷地拡大や、敷地外への処理水移送が困難だと結論付けた。