森田知事の私的視察「適切といえない」 台風15号対応で県PT





9月の台風15号上陸時の対応で責任をとり、給与と期末手当の一部減額を行うことを明らかにした森田健作知事=3日、県庁(永田岳彦撮影)

 台風15号への対応が適切だったかを検証している千葉県のプロジェクトチームは25日、外部有識者による検証会議の結果も踏まえた中間報告をまとめた。森田健作知事が台風上陸翌日の9月10日に私用車で富里市内などを私的に視察したことを「適切とはいえない」と指摘。今後、視察を行う場合は「必要性、効果、知事の安全などを十分考慮した上で、公務として実施する」とした。

 中間報告では、私的視察について高橋渡副知事が秘書課長から10日に事前に相談を受け、了承していたことも明らかになった。午前中の災害対策本部で知事が既に指示を出していることや、夕方公舎に戻るまでの視察であることなどから高橋副知事は「視察を思いとどまってもらうべきとは考えなかった」という。

 森田知事は11日にも私用で東京都千代田区に外出。13日は散髪で東京都中央区に出かけていた。この点についても中間報告は「連絡が取れる状態だったとはいえ、災害初期で大規模な被害の発生も想定される中、知事が公務外で公舎を離れることは適切といえない」と指摘した。

 中間報告では、災害対策本部の設置時期や設置後の対応についても「不十分・不適切な点があり、初期の対応が十分に行えなかった可能性がある」と総括した。県が災害対策本部を設置したのは台風上陸翌日の10日。本部設置後も5日間は防災危機管理部の職員だけで事務局を担当し、本来は招集すべき他部局の職員に応援要請を行っていなかった。

 今後は地震と異なり被害の見極めが難しい風水害についても客観的かつ迅速に災害対策本部の設置が判断できるよう設置基準を見直すとしている。

 今回中間報告で取り上げられたのは11分野の検証項目のうち、検証がおおむね終了した「知事の動き」と「災害対策本部設置をめぐる対応」の2項目。PTは今後も検証を続け、今年度中に最終報告を取りまとめる。



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