カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐる汚職事件で、中国企業「500ドットコム」側が、内閣府のIR担当副大臣だった衆院議員の秋元司容疑者(48)=収賄容疑で逮捕=に現金300万円を渡した半年後、IR整備区域を増やすよう要望していたことが26日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、同社側がIR参入での便宜を期待して賄賂を渡したとみているが、賄賂の授受と要望の時期が離れていることから関連を慎重に調べている。
秋元容疑者はIR担当の内閣府副大臣だった平成29年9月、同社のIR事業で便宜を受けたいとの趣旨だと知りながら、東京都内で現金300万円を受領するなどした疑いがある。
IR整備区域の上限数について、政府与党内では経済効果を考慮して「少なくとも4、5カ所」とする自民案と「2、3カ所」とする公明案が対立していた。
関係者によると、北海道留寿都(るすつ)村でのIR参入を目指していた「500」社の元顧問の紺野昌彦容疑者と(48)と、仲里勝憲容疑者(47)らは30年3月ごろ、IR参入の可能性が高くなるよう、秋元容疑者に面会やメールなどで上限数を「なるべく多く」「5カ所に」などと要望したという。
だが同年4月に政府与党は「3カ所」とすることで合意。7月に成立したIR実施法で正式に決まった。
一方、特捜部は26日、事件の関係先として東京都内の大手パチンコチェーン本社を家宅捜索した。