会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)が日本を出国したとの声明を出したことについて、弁護人の弘中惇一郎弁護士が31日、報道陣の取材に応じ、「寝耳に水という感じでびっくりしているし、当惑している」と述べた。
弘中氏は「朝のニュースで知った。報道以上のことは知らず大変困っている。事実とすれば保釈条件に違反していると考えざるを得ない」と話した。ゴーン被告とは次回、1月7日の弁護団会議で会う約束だったという。
クリスマスイブの今月24日には東京地裁の許可を得て、ゴーン被告は妻、キャロルさんとテレビ電話で会話。この時についても弘中氏は「報告書を見る限り、今後のことは話していない。レバノンにいる妻に会いたいなどの話は直接聞いていない」と説明。
ゴーン被告の旅券はいずれも預かっているといい、「どう出国したのか分からないが、相当大きな組織が動かなければ難しいのではないか。保釈条件で決められたことを細かく守ってきたが、四六時中、管理することはできない」とも話した。
弁護団は、ゴーン被告の出国について東京地裁に報告書を提出し、今後、新たな情報が入れば地裁に提供する予定であることなどを伝えるという。