国産ジェットに最新試験機 安全認証取得急ぐ





三菱重工業の最終組立工場から隣接する県営名古屋空港へ移動するスペースジェットの最新試験機=6日夜、愛知県豊山町

 国産初のジェット旅客機スペースジェット(旧MRJ)を開発中の三菱航空機(愛知県豊山町)が、最新の設計変更を反映させた試験機を完成させた。同社は2020年半ばの初号機納入を予定している。早期に飛行試験に投入して運航に必要な国の安全認証取得を急ぐ。

 試験機は6日深夜、製造を担う親会社の三菱重工業の最終組立工場(豊山町)から車両でけん引され、隣接する県営名古屋空港内の格納庫に移動した。エンジンの動作確認や地上試験などを経て名古屋空港周辺を回る初飛行を実施。その後機体を米国に運び、現地拠点で行っている日本の国土交通省のパイロットが乗り込んだ安全認証試験に使用する。

 三菱航空機は17年1月に安全性向上のため5度目の納期延期を発表。配線の設計変更を決め、最新試験機の製造に着手していた。しかし安全確認などに手間取り、三菱重工の泉沢清次社長は昨年6月を見込んでいた完成が20年初頭にずれ込むとの見通しを示していた。

 三菱航空機の水谷久和社長は最新試験機の完成について「(米国での)飛行試験は最終フェーズに向け大きく進捗する。認証取得に向け、全力で取り組んでいく」とコメントした。



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