【ワシントン=住井亨介】米下院は9日、トランプ政権のイランに対する軍事行動を制限する決議案を野党・民主党などの賛成多数で可決した。議会の承認がなければ30日以内に軍事行動の中止を求めるものだが、上院では与党・共和党が多数を占めているため否決される可能性が高い。
民主党は、イラン革命防衛隊司令官の殺害に際し、政権から議会への事前説明がなかったことに反発。殺害理由として差し迫った脅威があったとする政権の説明を疑問視しており、決議は政権を牽制(けんせい)する意味合いが強い。
民主党のペロシ下院議長は9日、採決前の記者会見で「政権は(イランとの緊張を)緩和し、さらなる暴力を食い止めなければならない。米国、世界に戦争をする余裕はない」と訴えた。
トランプ氏は9日、ホワイトハウスで記者団に対して、イランに対する軍事行動で議会の承認を得ることについて「その必要はないし、そうすべきではない。時には即座に行動しなければならないからだ」と述べた。