【北京=三塚聖平】衆院の超党派議員団は9日、北京の人民大会堂で、中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)との議会間定期交流「日中議会交流委員会」を開いた。衆院側団長を務める高木毅・衆院議院運営委員長(自民党)らは同日、中国共産党序列3位の栗戦書(りつ・せんしょ)全人代常務委員長とも会談。高木氏は、両国議会間の相互理解と相互信頼を深める重要性や、栗氏の訪日を招請するといった内容からなる大島理森衆院議長の親書を手渡した。
9日に北京市内で記者会見を行った高木氏は、栗氏の訪日については今後外交ルートを通じて調整が進められるとの見通しを示した上で、「前向きにとらえていただいたと思っている」と述べた。栗氏は、習近平国家主席の最側近として知られる。
日中議会交流委は2005年から行っており、今回で11回目の開催となる。日中両国を相互に訪問しており、次回は日本での開催予定となっている。衆院側からは高木氏のほか、岸信夫氏(自民党)や手塚仁雄氏(立憲民主党)など与野党の計8人が参加。全人代側からは曹建明・全人代常務委員会副委員長らが出席した。
高木氏によると、9日に行われた会議では、両国関係をさらに高みに引き上げるために議会交流が果たす役割の重要性を確認した。アフリカ豚コレラ(ASF)などのウイルス感染症対策に向け、日中両国で技術移転や人的交流など緊密な協力を行う必要性についても認識を一致。今春に予定される習近平国家主席の国賓訪日や、抗議デモが続く香港情勢についても話が及んだという。
高木氏は「日中新時代の幕開けにふさわしい議論が行われていると確信している」と意義を強調した。