新春にあたって横浜市の林文子市長が産経新聞のインタビューに応じ、市の財政基盤確立に向けた持続的発展や魅力向上に意欲を示した。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致への取り組みのほか、新たな劇場整備の事業化の検討なども進め、「子供たちの将来を見据えて、観光産業などに注力し、横浜の確かな成長につなげていく」と展望を語った。
--なぜIRが必要だと考えるのか
「将来的な生産年齢人口の減少や高齢者人口の増加に伴い、税収減や社会保障費のさらなる増加が予想される。市の将来に強い危機感を覚えており、早急な対策が必要だ。法人税収を増やすことは、非常に時間がかかる。短期的にも効果が出るのは観光産業であり、促進は喫緊の課題だ」
--IRを観光活性化の核に位置付けている
「観光面での税収は、過去最高の約3633億円まで伸びたが、まだ足りているとはいえない。たとえば大阪府は外国人観光客だけでも年間約1兆3千億円消費している。横浜港でも大型客船7隻が同時着岸可能となるなど、観光客誘致に力を入れている。皆さんが楽しめる日本型IRはぜひ導入したい」
--その思いは市民に伝わっているか
「市民には期待の声がある一方で、反対や批判の声もある。だが、必ずしも大多数が反対という感触はない。現時点で一番多いのは、カジノは絶対反対という意見であり、もう一つは、そもそもIR自体が何なのか分からないという声。できるだけ分かりやすい説明が必要だと考え、全18区での説明会の開催を決めた」
■まちの発展を確信
--誘致は今後、どう進めていくか
「横浜にふさわしい実施方針の策定を進め、令和2年度には民間事業者の公募・選定を行っていく。その後、選定した事業者と区域整備計画の案を策定し、市議会で議決をいただいたうえで、国へ認定申請することになる。具体的な時期については未定だ」