全日空グループは10日、長崎県五島市で飛行する小型無人機ドローンを、約1050キロ離れた羽田空港から遠隔で制御する実証実験を公開した。物資の輸送手段が限られる離島でのドローン実用化を目指す実験の一環。
これまでの実験では飛行する地域の周辺で機体を監視していた。今回は離島の人手不足を考慮し、羽田のような拠点で一括して飛行をコントロールする技術を確認する狙い。
10日は羽田にいる担当者がパソコン画面で動作確認しながら、食料品を積んだドローンを五島市の中心部がある福江島から約10キロ離れた島に向けて運んだ。
海上の高度約60メートルを飛行中に位置情報が途絶え、あらかじめ機体に入力されている飛行計画に従って、出発地に引き返す一幕もあった。
担当者は「各地の離島の事情に即し、遠隔管理でもドローン輸送を実現したい」と話した。