金融商品取引法違反の罪などで起訴され、保釈中に中東レバノンに逃亡した前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告(65)は10日、首都ベイルートで日本メディアの代表取材に応じ「全ての罪状は根拠がない」として改めて潔白を主張した上で、「日本では正義を与えられなかった」と逃亡を正当化した。
ただ、自身の主張を裏付けるような客観的事実は語らず、日本からの逃亡方法も「説明するつもりはない」と言い切った。日本の司法制度批判など従来の主張を繰り返すだけで、説得力を欠いた。
ゴーン被告は「合法的に出国したとは一言も言っていない」とし、「このような計画は、自分一人で実行する必要がある」と述べた。レバノン入りについては家族や弁護士にも伝えていないと説明。日本の弁護士に「私の案件が通常とは全く異なり、なすすべがない」と言われ、とても不安になったとした。「レバノンでは、少なくとも自分を守ることができると感じる」とも話した。(共同)