総務省「住宅・土地統計調査」(平成30年)によると、千葉県の空き家数(別荘などの二次的住宅を除く)は35・9万戸(全国6位)、空き家率(空き家数÷住宅総数)は11・8%(同39位)となっている。20年調査との比較では、空き家数が3・2万戸(9・9%)増えた一方、空き家率は0・2ポイント低下した。
空き家率が全国一低いのは沖縄県で、2位以下は、埼玉県・神奈川県・東京都・愛知県と大都市圏が続く。これら都県の特徴は、人口と世帯数が増加を続けていることであり、住宅総数がこの10年間に二桁台で伸びる中にあっても、空き家率は低下ないし横這い圏内で推移している。
千葉県も全体では、空き家率は10年前よりも低下したが、その推移は一様ではない。県内を5つのブロックに分けてみると、県内外からの人口流入が活発な「東京湾岸地域」で空き家数が16・2%減少し、空き家率も3・0ポイント低下したほか、「常磐・つくばエクスプレス沿線地域」「成田空港周辺・印旛地域」でも、空き家率は低下している。
反面、過疎化が進み住宅需要が乏しい「銚子・九十九里・南房総地域」では、空き家数が3割も増加し、空き家率も3・7ポイント上昇して15%を上回るなど、都市部と地方部との間で格差が拡大している。
行政による対応や民間などによる空き家活用方法は、今後どうあるべきであろうか。
都市部では、空き家の絶対数が多いため、自治体による速やかな実態調査や所有者への指導とともに、利活用や取り壊しの支援(解体費用の補助を含む)などが求められる。空き家活用方法としては、改修・リフォーム補助金なども活用したリノベーションや性能表示制度による品質確保で、買い手・借り手とのマッチングを進めつつ民泊施設としても活用したい。